この記事では、「棄却」と「却下」と「破棄」の違いを分かりやすく説明していきます。
3つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「棄却」とは?
「棄却」は「ききゃく」と読みます。
「棄却」には「捨て去ること。
捨てて取り上げないこと」という意味があります。
また「棄却」には、「裁判所が受理した訴訟について審理し、請求などを退けること。
また、刑事訴訟で、手続きを打ち切ること」を意味します。
「棄却」の言葉の使い方
例えば会議の席で、ある議題が上がった時、議論する価値がないと判断して、捨て去られるような場合、「議題を棄却する」などと言います。
「却下」とは?
「却下」は「きゃっか」と読みます。
「却下」は「願い出などを退けること」という意味があります。
次に「却下」には、「裁判所などの国家機関が、訴訟上の申し立てや申請などを取り合わずに排斥すること」という意味があります。
民事訴訟の場合は、訴えを審理せず、門前払いすることと言います。
「却下」の言葉の使い方
両親にお小遣いを上げてくれるように交渉したとき、両親がその願いを退けて、現状維持になる場合は、「お小遣いの値上げをお願いしたが、却下された」などという文章にできます。
また、門限を遅らせてくれるよう、子供が父親に頼み退けられたとき、「門限を遅らせるよう頼んだが、却下された」という文章にできます。
「破棄」とは
「破棄」は「はき」と読みます。
「破棄」は「破り捨てること」という意味があります。
書類や、雑誌など、破れるものを、破手捨てる場合「破棄」と呼びます。
次に「破棄」には「契約や取り決めなどを、一方的に取り消すこと」という意味があります。
「破棄」の言葉の使い方
スパイ行為をしていた人が、その土地を去る時、重要書類を破り捨てる場合、「スパイが土地を去る時、重要書類を破棄する」などという文章にできます。
また、婚約者から、一方的に、婚約の取り決めを取り消される場合、「婚約を破棄される」と言います。
「棄却」と「却下」と「破棄」の違い
「棄却」には「捨て去ること。
捨てて取り上げないこと」という意味があります。
また「却下」は「願い出などを退けること」という意味があります。
さらに「破棄」は「破り捨てること」、また「契約や取り決めなどを、一方的に取り消すこと」という意味があります。
3つの言葉には、捨てるという意味があるという共通点があります。
「棄却」と「却下」、「破棄」はよく似た言葉ですが、「棄却」で捨てるのは、主に「問題」なのに対して、「却下」は「願い事」を捨てることを意味し、「破棄」で捨てるのは、「契約」か「破れる物」になります。
このように、何かを捨てることを意味する言葉という共通点がありますが、それぞれ捨てるものに違いがあります。
まとめ
「棄却」と「却下」と「破棄」の違いについて見てきました。
それぞれの言葉は似た意味がありますが、捨てるものに違いがありました。
3つの言葉の違いを知り、混同せずに使い分けることができるようにしましょう。