この記事では、「緊張」と「不安」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「緊張」と「不安」の違い
「緊張」とは、心や体が固くなること、心にゆとりがなくなり張りつめた状態になることです。
「不安」とは、ある事柄が気になって、心が安定した状態ではないことです。
試験の前、大きな舞台の前などに、「緊張」をしたり、「不安」になったりすることがあります。
同じような場面で使われる言葉なので、同じことを指しているように感じますが、それぞれの言葉が持っている意味は異なります。
どちらの言葉も心の状態を指している点は同じですが、「緊張」は心のことだけでなく、体のことも指しています。
「緊張」の意味は、心と体が固くなることです。
こわばっていたり、張りつめていたりする状態をいいます。
「不安」の意味は、心が安定していない状態です。
ゆったりくつろいだ状態とは反対の状態を指しています。
高校の面接試験のことで考えてみます。
面接試験の前に、体がガチガチになってしまったり、口の中がカラカラに乾いてしまったりすることもあるでしょう。
同時に心も固くなっているはずです。
これが「緊張」している状態です。
高校の面接試験を受ける人は、これだ最初だと思います。
高校に何度も入る人は、滅多にいないでしょう。
初めてのことなので、これからどうなるのかわかりません。
「どうなるのだろう」「大丈夫だろうか」など気にすることでしょう。
こういったことを考えているときには、心が安定していません。
これが「不安」を感じている状態です。
「緊張」は心と体の状態を指しており、「不安」は心の状態を指しています。
どのような状態かというと、「緊張」は固くなっている状態、「不安」は安定していない状態です。
「緊張」と「不安」の使い方の違い
前者の言葉は、心や体が固くなることという意味で使用をします。
後者の言葉は、気になることがあって心が安定していない状態という意味で使用をします。
試験の前、初めてのデート、大きな舞台の前などの同じような場面で、2つの言葉は使われることが多くあります。
「緊張」と「不安」の英語表記の違い
「緊張」は英語で“strain”や“tension”と表現をします。
「不安」は英語で“uneasiness”や“anxiety”や“worry”と表現をします。
「緊張」の意味
「緊張」とは、心や体が固くなること。
普段は行わないことをするなどしなければならず、心が引き締まり、体が固くなることです。
普段は行わないこととは、たとえば入社試験、入学試験、習い事の発表会、大勢の前でのスピーチなどです。
日常生活では、あまりない事柄のことを指しています。
こういった場面に直面をして、心や体にゆとりがなくなることを「緊張」は意味しています。
大勢の前でのスピーチのことで考えてみます。
講演活動をしている人でない限り、大勢の前でスピーチをする機会は少ないことでしょう。
スピーチは普段やらないこと、つまり慣れないことです。
普段話し慣れていない人は、スピーチの前には口の中がカラカラに乾く、気持ちにゆとりがなくなり他の人と楽しく会話できない、筋肉が固くなる、動きがぎこちなくなる、などすることがあります。
慣れないことに直面して起こるこのような心と体の状態を指している言葉です。
「緊張」の使い方
慣れないことに対処しなければならないときに表れる、心や体が引き締まった状態を指して使用します。
初めての人に会うとき、発表をするとき、試験を受けるとき、初めて一人が暮らしをするときなどに「緊張」することがよくあります。
こういった状況で使うことが多い言葉です。
「緊張」を使った例文
・『そんなに緊張しなくても大丈夫だよ』
・『緊張して口の中が乾き、水ばかり飲んでいる』
・『緊張することは滅多にない』
・『緊張して手に汗をかく』
「緊張」の類語
「張り詰める」が類語です。
気持ちのゆるみがないという意味です。
「緊張」の対義語
「ゆるむ」が対義語です。
ぴんと張った状態がほぐれることです。
「不安」の意味
「不安」とは、気になることがあって心が安定していない状態であることです。
大きな地震があったときに、この状態になることが珍しくありません。
地震で自宅が倒壊してしまうと、「これからどこに住めばいいのだろう」と気がかりになります。
会社が倒壊してしまえば、「仕事を続けることができるだろうか。
収入はどうなるのだろうか」など気になります。
また、大きな地震の後では余震が続くことがあり、いつ何があるかわからない状態なため、心が落ち着きません。
悪いことが起こるのではないかと、未来のことを気にしている状態といえます。
このような状態を意味している言葉です。
「不安」の使い方
心の状態を指して使用します。
気になることがあって、心が安定していないことをいいます。
過去のことを気にしてではなく、現在のことや未来のことを気にすることをいいます。
よい意味での「気になる」ではなく、悪い意味での「気になる」ことを指しています。
生きていると気になることは数多くあります。
たとえば、災害にあったとき、病気になったとき、将来のことを考えたときなど、「どうなるのだろうか」「悪いことが起こらないだろうか」など気になります。
さまざまな場面で「不安」を感じるため、さまざまな場面でこの言葉は使用されています。
「不安」を使った例文
・『不安になったときのために常にお守りを持っている』
・『不安になったら深呼吸をするようにしている』
・『これからのことを考えると不安に押しつぶされそうになります』
・『不安でも行動するしかない』
「不安」の類語
「心配」「気がかり」が類語です。
どちらの言葉にも、心を悩ますという意味があります。
「不安」の対義語
「安心」が対義語です。
心が安定している状態のことです。
まとめ
似たような場面で「緊張」したり「不安」になったりすることがあり、同じような場面で使われる言葉なので、意味が同じように思ってしまいがちです。
しかし、それぞれの言葉が持っている意味は異なります。