この記事では、「寂しい」と「悲しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「寂しい」と「悲しい」の違い
「寂しい」と「悲しい」の違いについて紹介します。
「寂しい」と「悲しい」の使い方の違い
「寂しい」は、「心が満たされずに物足りない気持ち」に使います。
気持ちが満足できずに幸せとは程遠く、何をしても心にぽっかりと穴が開いている様だと思うことです。
「悲しい」は、「心が痛んで辛い気持ち」に使います。
心が痛んでやるせない、泣きたいと思うことです。
「寂しい」と「悲しい」の英語表記の違い
「寂しい」の英語表記は以下の2つです。
1つ目は「lonely」で、「独りぼっち」というニュアンスです。
“I’m lonely.”
(独りぼっちで寂しいよ)
2つ目は「miss you」で、「相手を失う=人がいなくなる」というニュアンスです。
“I miss you.”
(あなたがいなくて寂しいよ)
「悲しい」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「sad」で、日本語と同じ「悲しい」という意味です。
“I am sad.”
(私は悲しい)
2つ目は「feel down」で、「気持ちが落ち込んでいる」というニュアンスです」“I’m feeling down.”
(私は悲しい)
「寂しい」の意味
「寂しい」は「さみしい」または「さびしい」と読み、以下の3つの意味があります。
1つ目は「心が満たされず物足りない気持ち」という意味です。
自分が精神的にその様に感じることを表す言葉です。
2つ目は「仲間や相手になってくれる人がいなくて心細いこと」という意味です。
こちらは自分の環境的なことを表す言葉です。
3つ目は「人の気配がなくて、ひっそりとしていること」という意味です。
自分に原因はなく、周囲の状況を表す言葉です。
上記に共通するのは、「あって欲しいものがなくて心細いこと」という意味です。
「寂しい」は、「家屋が傷んで哀れな状態」を表す象形文字で、「家が悲惨な状態」から「あるはずの物がない」→「物足りない」→「寂しい」として使われる様になりました。
「寂しい」の使い方
「寂しい」は、「あって欲しいものがなく心細い気持ち」に使われる言葉です。
形容詞として使われ、名詞形は「寂しさ」になります。
人の気持ちだけではなく、「懐が寂しい」「寂しい音」などと、物や現象に対しても使われます。
同じ「さみしい」「さびしい」に「淋しい」がありますが、こちらは「物静かな状態で、その結果気持ちが寂しく感じること」という意味です。
「ひっそりとしていて、更に心細く感じること」という、環境と気持ちの両方が混ざった言葉です。
「寂しい」を使った例文
・『いつまでも独り暮らしでは寂しいだろう』
・『同期の友達が次々と結婚してしまい寂しい』
・『同い年の友達がいなくて昼休みは寂しく過ごしている』
・『彼氏と別れてしまって寂しい』
・『寂しい夜道を一人で歩く』
「寂しい」の類語
・「心許ない(こころもとない)」
頼りなくて不安な様子のことです。
・「孤独(こどく)」
周囲に誰もいなくて独りぼっちの様子です。
「寂しい」の対義語
・「賑やか(にぎやか)」
活気があって人の声や物音などが盛んに聞こえる様子のことです。
「悲しい」の意味
「悲しい」は「かなしい」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「心が痛んで泣けてくる気持ちのこと」という意味です。
実際に泣くこともあれば、その様に辛い気持ちのこともあります。
2つ目は「上記の様な気持を起こさせるものごと」という意味です。
「悲しい知らせ」など、事象に使われ、自分が望まない状態や、人にとって悪い状態になり、それにより心が辛い様子を表します。
「悲」は、「人が左右に分かれる形」「心臓」から成る象形文字で、「人が引き裂かれる心の痛み」を表す漢字です。
「悲しい」の使い方
「悲しい」は、自分のこと、人のことどちらであっても、心が痛む様な出来事に使われます。
形容詞として使われ、名詞形は「悲しみ」「悲しさ」になります。
相手に対して自分が「泣きたいほど辛い気持ち」であることを伝える言葉です。
感情的な言葉ですので、ビジネスや、あまり親しくない人に使うのは避けましょう。
「悲しい」を使った例文
・『大切にしていたペットが死んでどうしようもなく悲しい』
・『昨日、友人に関して悲しい知らせが来た』
・『何とも悲しいメロディーで泣けてくる』
・『悲しいことに、取引が白紙に戻されてしまった』
・『自分にとって多くの悲しい思い出のある街だ』
「悲しい」の類語
「切ない(せつない)」
胸が締め付けられる様な思いがしてやりきれない気持ちのことです。
「断腸の思い(だんちょうのおもい)」
辛くて深い悲しみのあまりに、腸がちぎれる思いをすることを言います。
「悲しい」の対義語
「嬉しい(うれしい)」
気持ちが明るくなり、心が弾む様子のことです。
まとめ
今回は「寂しい」と「悲しい」について紹介しました。
「寂しい」は「心が満たされず物足りない気持ち」、「悲しい」は「心が痛んで辛い気持ち」と覚えておきましょう。