「資本」と「資産」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「資本」と「資産」の違い金融・経済

この記事では、「資本」「資産」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「資本」と「資産」の違い

初めにそれぞれの言葉の意味を確認します。

「資本」とは、商売や事業を営業するのに必要な資金のことです。

また、現金に限らず、新たに何かを生み出すために使われる過去の生産物なども該当します。

会計分野では、純資産のことを「資本」として扱うこともありますが、厳密には「資本」と純資産が必ずしも一致せず、「自己資本」が一致することに注意が必要です。

「資産」とは、個人や法人が所有する金銭や土地、不動産、有価証券などを指します。

広義には財産の意味があります。

「資産」には将来的に収益が得られることが期待される状況も含まれるので、前払い費用のようにそれ自体に価値が無いものも含まれます。

また、借金や未払金、未払い費用などの負債も将来的にお金が減るということになるのでマイナスの資産とみなせることに注意が必要です。

すべての「資産」と負債を足し合わせたものを「総資産」として区別する場合もありますが、会計分野の貸借対照表などでは、「資産」のみの表記でも「総資産」を表すことになるので理解しておきましょう。

「資本」「資産」の関係は、全ての「資本」から全ての負債の金額を引いた金額が「(総)資産」の金額となります。

「資本の総額-負債の総額=(総)資産」となるので、「(総)資産」が負債だけの場合もあるわけです(負債の総額と表記した理由は、単に負債とすると、自分から見てマイナスの金額を更に引いて、-×-=+と解釈してしまい、プラスにして計算する可能性を防ぐためです)。

「資本」は、プラスとゼロになることはありますがマイナスには成らないのに対し、「資産」は、プラスとマイナス含むという違いがあります。

例えば、3000万円の中古マンションを頭金1000万円と2000万円のローンで買うと、3000万円の中古マンションは、「資本」となり、2000万円が負債となるので、1000万円が「資産」になります。

新築マンションを例にあげなかったのは、新築マンションが買った瞬間に中古マンションになるためで、価値が20~25%程度さがってしまうからです。

「資本」は、個人や法人が所有している資金や所有物であるのに対し、「資産」は、他人の資金や所有物を含むという違いがあります。

また、負債が全く無い人の「資産」は、「資本」と同に意味合いに成ります。


「資本」と「資産」の使い方の違い

この二つの言葉は、本来明確に区別される言葉なのですが、しばしば混同されてしまい、勘違いを引き起こすので注意が必要です。

非常にやっかいなのが、「資本」に別の言葉が組み合わされて作られた言葉には、異なる意味合いに成ってしまう言葉があるので、それぞれ区別して覚える必要があります。

一例として、自己資本は、純資産のことを指しますが、単に資本としか表記されない場合も多く、勘違いを引き起こしてしまいます。

また、体が「資本」のように比喩的に表現されることもあります。

「資本」がマイナスになるといった表現を見かけますが、この場合は、自己資本がマイナスになるとか、「資産」がマイナスになると表現すべき場面で、誤用されていることがありますので、文脈から判断するようにしましょう。

「資産」には、「資産」を細かく分類して、○○資産とするような使い方がありますが、「資本」に比べれば、誤用は少なくなります。

個人ぼ間で会話では、「資産」があるという使われ方がされる場合に、プラスの資産があるというポジティブな意味合いで使われることが多くなります。


「資本」と「資産」の英語表記の違い

「資本」の英語表記は、“capital”“fund”があります。

“capital”は、首都、州都、中心地、資本、資産、資本金、元金などの意味があります。

“fund”は、資金、基金、基本金、財源、手持ち資金、公金、国債などの意味があります。

“capital”“fund”の違いは、資本そのものに着目して使われた場合には、“capital”となりますが、文脈の上で、資本金いついて着目して使われた場合には、“fund”となります。

“capital fund”としても資本金の意味になります。

「資産」の英語表記は、“asset”“fortune”“ fortune”“asset”は、資産、(個人・会社の)財産などの意味があります。

“property”は、財産、資産、所有物、土地、所有権などの意味があります。

“fortune”は、幸運、繁栄、成功、出世、資産などの意味があります。

“asset”は、価値のある資産という意味で使われて、“fortune”は、価値の無いものも含む資産という意味で使われます。

“fortune”は、多額の財産という意味合いで使われます。

「資本」と「資産」を使った例文

・『封建主義社会に変わって資本主義社会が生まれた』

・『外国の資本によって日本国土が買収される』

・『資本力がある』

・『資本金がない』

・『資産がマイナスに成った』

・『資産価値を高める』

・『資産は負債と資本を合わせたものだ』

「資本」と「資産」の類語

財貨、所有地、財産、所有物、保有物、物資、私財などの状況に応じた類語があります。

「資産」の対義語

「資産」の対義語には、「負債」があります。

「負債」とは、会社や個人が借りているお金でいずれ支払うお金のことです。

「負債」は、他人資本や外部資本とも呼ばれます。

会計用語でいう「資産」には、「負債」も含まれますが、一般の会話で使われる「資産」には、ポジティブなニュアンスで使われることが多いため、対義語としてあげています。

まとめ

「資本」「資産」の違いについて説明しました。

「資本」は、商売や事業を営業するのに必要な資金や所有物のことをさしますが、「資産」は、「資本」から負債の金額を引いたものという違いがあります。

「資産」はマイナスになることがあるので注意しましょう。