この記事では、「推測」と「推察」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
推測と推察の違い
「推測」は、今知っていることをもとにして推し量ることです。
「推察」は、相手が置かれている状況や気持ちなどから、相手の立場を推し量ること、思いやることです。
どちらも「推し量る」という意味が含まれていますが、推し量るとは、見当をつけることを意味します。
「見当」は、こうであると断定できることではない物事に対して、だいたいそうなんじゃないかなと考えることです。
そのため、「推測」も「推察」もこうだと思っているものは予想にすぎません。
「推測」の場合は、予想をするのにすでに知っている物事を使っています。
一方、「推察」は単に相手の気持ちを思いやることを意味するする場合があります。
予想をするのには、相手の情況を使っています。
また、どちらの言葉にも他人を思いやることという意味が含まれている点は同じです。
推測と推察の使い方の違い
「推測」は、今現在わかっていることがあり、そこから見当をつけるときに使用をします。
たとえば、犯行の動機を推測するといった使い方をしますが、この場合は、犯行現場に残されている証拠や周囲の人からの証言など、すでに知っている物事があり、そこからだいたいこうなんじゃないかと考える意味があります。
あてずっぽうではありません。
「推察」は、相手の気持ちを思いやるときに使われることが多くあります。
推測と推察の英語表記の違い
「推測」は英語で“guess”や“suppose”と表記をします。
“guess”はいい加減な見通しを立てること、“suppose”は事実だろうと考えることを意味します。
「推察」は英語で“guess”と表記をします。
推測の意味
「推測」は、今現在手にしていることをもとにして推し量ることです。
何も知らずに勝手に想像をしているのではなく、今現在の時点でわかっていることをもとに見当をつけています。
「推」という漢字には、おしはかるという意味があり、「測」という漢字には、おしはかる、思いはかるという意味があります。
推し量るという意味を持つ漢字を重ねている言葉です。
自動車事故が起こり、なぜ事故が起こったのか見当をつける場合のことで考えてみます。
事故現場を調べたり、周囲の人から聞き込みをしたり、防犯カメラの映像を確認したりすると、路面が凍っていたということがわかりました。
路面が凍っているという現在わかっている情報をもとに、おそらく路面の凍結によってスリップをして事故を起こしてしまったのだろうと予測することができます。
こういったものが「推測」です。
実際に事故が起こった瞬間を見ていないので、はっきりはわかりませんが、おそらくそうだろうと考えられます。
推測の使い方
今現在手にしている情報、知っていることをもとにして、そうであろうと考えるときに使用をします。
何もわかっていることがないものには使用しません。
また、「推測」は人にも物事にも使用することができます。
相手の気持ち、物価、犯行の動機、事故の原因など、さまざまなことに使用されています。
推測を使った例文
・『犯人の動機を推測する』
・『10年後の自然環境を推測する』
・『この推測には自信がある』
・『彼の推測はいつもあてにならない』
・『あなたの推測に賛成します』
推測の類語
「推察」「推量」「推定」が類語です。
「推量」は、広く推し量ることを意味します。
「推測」よりも範囲が広いです。
「推定」は、客観的事実や資料に基づいて推し量ることを意味します。
推測の対義語
確かなことを意味する言葉が対義語です。
「確実」「事実」などが対義語になります。
推察の意味
「推察」は、相手の事情や気持ちに配慮する意味が含まれている言葉です。
置かれている状況を考慮して思いやる意味があります。
試験に合格をしたら、たいていの人はうれしいことでしょう。
そういった場合に「喜びのことと推察します」などの言葉が出てきます。
試験に合格したという相手の事情から推し量って出て来る言葉です。
「推察」は、数値化できるものや資料などに基づいて行われるものではありません。
「察」という漢字には、おしはかる、思いやるという意味があります。
推察の使い方
相手の気持ちを思いやる意味のある言葉なので、人に対して使用をします。
株価、物価、事故の原因など、人以外のことに使用するのは一般的ではありません。
推察を使った例文
・『彼の推察に耳を貸す必要はない』
・『推察が夫婦の溝を深くする』
・『まあ、だいたいは推察がつくよ』
・『推察して欲しいと思ってもそれは無理な話だ』
・『その推察はどうかと思います』
推察の類語
「推測」「推量」「推定」が類語です。
推察の対義語
予想とは反対の意味の言葉が対義語になります。
「断定」「確実」などが対義語です。
まとめ
どちらの言葉にも「推」の文字が使われていて、同じような意味を持っていますが、どのように推し量るのかや、どういった場面で使われるのかなど違いがあります。