成長を目的に行われる活動を指す言葉として「訓練」と「教育」がありますが、このふたつはどのような基準で区別されているのでしょうか。
今回は、「訓練」と「教育」の違いについて解説します。
「訓練」とは?
「訓練」とは、「実際の場面を想定して行われる練習」を意味する言葉です。
「訓練」の使い方
「訓練」という表現は主に「技術や技能などの習得を目的に行われる反復的な練習」を指します。
車の運転や機械の操作、軍事技能の向上や特殊技術の獲得など「実践を通じて実際にできるようになるまでやること」を「訓練」と表現します。
修練やトレーニングなど本番に備えて行われる成長を目的とした行動全般を指す言葉で、基本的には本番と同じ内容で練習するときに「訓練」という表現を用います。
練習用の機材や場所など完全に実際と同じではありませんが実戦を想定したり本番環境を再現したりして限りなく実際の場合に近づけて行われる実践練習が「訓練」です。
やったことや身につけた内容をそのまま本番で生かせるような練習が「訓練」であり一般的にははっきりとした目標を設定し確立したメニューに基づいて練習を行います。
修得するまでに同じ内容を繰り返したり成功するまで何度もチャレンジしたりなど反復継続的な内容が多く、頭で理解するというよりも体に叩き込み覚えさせるような練習が「訓練」です。
「教育」とは?
「教育」とは、「知識や技術などを身につけた優れたものが劣っているものに教え伝えること」を意味する言葉です。
「教育」の使い方
「教育」とは簡単にいえば「人間として成長させるために行われる知識の伝授」を意味します。
過去の経験や研究によって証明された事実など「まだその人が身につけていない知識を教え伝えることで思考力や論理力を鍛え人間としてより良い存在への成長を促す行為」が「教育」です。
一般的には科学知識や社会常識などを教える行為を「教育」といいますが、人生で大切なことを教えたり考える力を養ったりなど幅広く人間としての成長につながる行為全般を指して「教育」と表現します。
「訓練」と「教育」の違い
「訓練」と「教育」の違いは「目的」です。
「訓練」は運転技術や職業能力など個別具体的な能力の習得を目指して行われる練習を指すのに対し、「教育」は人としての成長を目的に行われる学習や練習を意味します。
身につけさせたいスキルがはっきりしているのが「訓練」、人としてのレベルを引き上げるために行われるのが「教育」という違いで区別される言葉です。
「訓練」は習得した技術は使いこなせるようになりますが他のことへの応用は想定していません。
「教育」は単体でははっきりした成果を実感できませんが物事の見方が多様になったり深く考えられるようになったりなどいろいろな場面で応用できます。
「訓練」の例文
・『地震に備えて避難訓練を実施する』
・『訓練の成果を本番で存分に発揮する』
「教育」の例文
・『子どもの将来は教育により大きく左右される』
・『安全運転の重要性について教育する』
まとめ
「訓練」と「教育」はどちらも成長や発展のために行う練習を指しますが目的は大きく異なります。
日常生活でもよく使われる言葉ですがニュアンスはまったく違うので混同しないように注意してください。