この記事では、「熱中」と「夢中」と「集中」の違いを分かりやすく説明します。
「熱中」とは?
物事に心を深く傾けることです。
また、熱烈に思うことでもあります。
熱中症の「熱中」は、上記二つとは全く意味が異なります。
この「中」は、食中毒と同じ「中(あた)る」で「その状態になる」の意味です。
高温や多湿の環境によって人体が障害された状態を指します。
「熱中症」の病名は明治時代に初めて登場しましたが、症状自体は漢の時代から知られ、中暑(ちゅうしょ)や霍乱(かくらん)などと呼ばれていました。
「夢中」とは?
夢を見ている間、夢の中などの意です。
また、自覚を失うこと、我を忘れることも指します。
そこから転じて「物事に熱中して我を忘れること」の意味でも使われます。
それに心を奪われて、他のことを全く考えられなくなった状態です。
「集中」とは
ひとつのところに集まること、また、集めることです。
「集中豪雨」などのように物体を一カ所に集める場合だけでなく、意識を何かひとつの物事に注ぐ意味でも用います。
精神を集中する文脈の場合は、「人間がその時している物事に完全に没頭し、いきいきと積極的に取り組む状態」を示します。
ビジネスの場では、個人のパフォーマンスとしての集中だけでなく、マクロな視点で特定の事業分野に経営資源を絞り込むことも指します。
多角化を改め、経営の効率化と業績向上を目的に残すべき事業分野を選択します。
既に得意とする分野だけでなく、将来的に伸びしろのある事業分野を選択するなど、難しい判断が求められます。
「熱中」と「夢中」と「集中」の違い
熱中は、情熱を持って意識を集中してひとつの物事に取り組む状態で、あまり苦痛を感じません。
夢中は、ひとつの物事に対する過剰な集中状態で、本人には、自分の状態を認識できていません。
集中は、一人の精神的な没入状態だけでなく、経営側が、資本や人材などを特定分野に絞り込むことも示します。
まとめ
本人が仕事に夢中でも、過労で倒れないように管理職が作業量や残業時間などに目を配る必要があります。
熱中や夢中は、パフォーマンスがかなり向上した状態です。
ここにクレーム対応などが入ると、折角の「ゾーンに入った状態」が壊され、再びその状態へ持って行くのに余計な時間が掛かり、本人のモチベーションも下がります。
専門的な業務を担当する職員が作業に集中している時は、他の要件で集中を切らさないように周囲がサポートすると全体の効率とクォリティが向上します。
人員に余裕がある場合は、電話対応など、不意に作業の手を止められる事態が発生しないようにあらかじめ、対応の範囲を取り決めておくとスムーズに進みます。
熱中や夢中による過剰な集中状態では、話し掛けられても、気付かないことすらあります。
長時間、座ったままが続くと、血栓症などによる突然死のリスクが上がります。
一時間に一回程度は、トイレに行く、自動販売機や給湯室へ飲み物を調達しに行くなど、「立って歩く動作」を取り入れることで改善されます。
本人が自主的に「適度な休憩」を挟めるような工夫が必要です。