この記事では、「莫大」と「膨大」と「甚大」の違いを分かりやすく説明していきます。
「莫大」とは?
莫大とはとても数量が大きな状態を指します。
辞書などで明確に定義されているわけではありませんが、「莫大な利益が出た」「莫大な損失が出た」のように金額に対してプラスにもマイナスにも利用されることがあります。
量の大きさを表す言葉ですが「莫大な速さ」のような使い方は使わず、金額や面積、体積があるものに対して使うのが一般的な使い方と言えるでしょう。
なお莫大という言葉は大きさが比較しきれないような途方も無い大きさに対して使われることも多くなっています。
「膨大」とは?
膨大とは、もともとの数値から更に大きくなった状態を指します。
「予算の増加が膨大になった」など元の数値が考えられる使い方が多くなっていますが、「膨大な応募者から選ばれた」のようなプラスイメージの使い方もされます。
「膨大な応募者から選ばれた」の元々の数値は平均的な数値と考えて良いでしょう。
膨大化していくという言い回しもあり、もともと小さかったものがさらに大きくなっていくイメージで使うことが出来ます。
「体重が膨大になった」という言い回しは可能ですが、「体重が莫大となった」とするとかなりオーバーな表現になっていると言えます。
「甚大」とは?
甚大も極めて大きな量を指す言葉となっています。
甚の字が度を越したという意味があり、他の使い方で激甚などの用途があるためか、悪い意味で量が多い使い方、「甚大な被害」などで使われることが多くなっています。
「莫大」と「膨大」と「甚大」の違い
「莫大」と「膨大」と「甚大」はどれも数量が大きなものを指して使われる言葉ですが、甚大のみ、「甚大な被害」など悪いイメージで使われるケースが多くなっています。
「莫大」と「膨大」の違いは辞書などで明確になっていませんが、「膨大」は「前作に比べてより膨大になった予算」などもともとの数量が存在してからの使い方で、風船のように膨れ上がるものをイメージするとわかりやすいでしょう。
それに対し、「莫大」は「莫大な予算をかけた新作」など比較対象がない場合でも使うことがあり、「莫大」と「膨大」では莫大のほうがより数値的に大きな例えに使われることが多くなっています。
なおこのふたつの言葉は「膨大な利益」「莫大な利益」「膨大な借金」「莫大な借金」のように良いイメージ、悪いイメージでもともに使用されます。
まとめ
数量の大きい状態を表す言葉である「莫大」と「膨大」と「甚大」は悪いイメージではこれらすべての言葉が使えるのですが、いいイメージであった場合は莫大と膨大を使うのが一般的で、比較対象、もともとあったものの数量が変化して大きくなった場合は膨大を使うケースが多く見られ、莫大は途方も無い大きさのものを指すケースが有るため、この三つの言葉の中では莫大が最も大きな数量を指すケースで使用されていると言って良いでしょう。