電子書籍の普及もあり、空いた時間に読書を楽しむ方も多いでしょう。
ですが読書を趣味にしていても、「小説」と「ラノベ」と「文庫本」の定義まで知っている方は多くありません。
この記事では、「小説」と「ラノベ」と「文庫本」の違いを分かりやすく説明していきます。
「小説」とは?
「小説」は文学の形式の一つで、韻律や句法にとらわれず、フィクションとして書かれた物語を指す言葉です。
芸術性を重視した純文学も、読者を楽しませることが目的の大衆文学も、内容がフィクションで五七五などの字数制限がないなら「小説」になります。
現実に起きたなにかをモチーフにした「小説」もあるため、フィクションだから現実と無関係というわけでもありません。
現実に起きた事件を元にした場合、架空の登場人物を主人公として話を進める場合は小説、事件の当事者から得た情報をまとめて文章として記した場合はノンフィクション作品になります。
「ラノベ」とは?
「ラノベ」は「ライトノベル」の略称ですが、娯楽小説である以外に明確な定義が確立されていません。
「ラノベ」を発行しているレーベルから出版されている、挿絵を多用し登場人物や世界観のイメージを定めている、などが定義として挙げられています。
ですがその条件に合っていない「ラノベ」も存在するため、決定的な定義とは言えるものがないのが現状です。
全体の傾向としては、主な読者層として青少年を対象にし、漫画やアニメ調のイラストが多用され、読みやすく書かれた娯楽小説が「ラノベ」として扱われています。
「文庫本」とは?
「文庫本」は書籍の種類を指す言葉です。
普及を目的とした書籍であり、多くの「文庫本」はA6判と単行本よりも小さなサイズで、ソフトカバーです。
また「文庫本」は、レーベルが出版社名に文庫と足されたレーベル名になっているのも特徴でしょう。
話題になった「小説」を幅広い相手に廉価で広めるために「文庫本」として出版することもありますし、最初から「文庫本」としてのみ出版される「小説」もあります。
人気の出た漫画作品の「文庫本」も出版されており、文庫と付いていますが内容は文学作品のみとは限りません。
「小説」と「ラノベ」と「文庫本」の違い
「小説」は文学作品の大きな分類を指す言葉であり、「ラノベ」はジャンルを指す言葉、そして「文庫本」は書籍の種類を指す言葉です。
「小説」と「ラノベ」と「文庫本」の条件全てを満たしている作品も多いため、混同されることも多いですが、それぞれが全く別の要素を指しています。
形式について触れる時には「小説」、ジャンルについて述べる時には「ラノベ」、サイズや書籍のタイプを説明する時には「文庫本」と言葉を選ぶべきでしょう。
まとめ
「ラノベ」は「文庫本」として発行されていることの多い「小説」なので、「ラノベ」を愛読している人だと「小説」と「ラノベ」と「文庫本」が一緒くたになりがちです。
しかしそれぞれが何を指す言葉なのかを理解すれば、言葉を使い分けることは難しくないでしょう。