「発酵」と「腐敗」、「熟成」の違いをご存知ですか?
この記事では「発酵」と「腐敗」、「熟成」の言葉の意味や違い、使い方を分かりやすく解説していきます。
「発酵」とは?
「発酵」は「はっこう」と読みます。
「発酵」とは酵母、細菌、かびなどの微生物(びせいぶつ)が有機物(ゆうきぶつ)を分解または酸化還元(さんかかんげん)して有機酸類(ゆうきさんるい)、アルコール、炭酸ガスなどに変えることを言います。
酒、味噌、醤油、パン、チーズの製造などに利用されます。
頭の中などに考えや想像が生じて、だんだん熟していくこと、という意味もあります。
「発酵」の例文
・『ブドウを発酵させる』
・『大豆を発酵させて作る』
・『酵母でビールは発酵する』
上記3つの例文は、いずれも食品の製造過程で用いられます。
「腐敗」とは?
「腐敗」は「ふはい」と読みます。
微生物の作用によって蛋白質(たんぱくしつ)が分解して悪臭を発すること。
腐ること。
また、精神的に堕落するという意味もあります。
「腐敗」の例文
・『牛乳が腐敗する』
・『塩は腐敗を防止する』
上記2つの例文は食品が腐っていく様を表します。
・『政治が腐敗する』
上記は、政治がまともに行われず堕落していく場合に使われます。
「熟成」とは?
「熟成」は「じゅくせい」と読みます。
意味は、成熟して十分なころあいに達することです。
「熟成」の例文
・『ワインが熟成する』
・『豚肉の熟成方法』
上記2つは時間をかけて食材を寝かし、食材が美味しくなる場合に用いられます。
「発酵」「腐敗」「熟成」それぞれの違い
用語の意味はお分かりいただけたでしょうか? 「発酵」とは酵母、細菌、かびなどの微生物が有機物を分解または酸化還元して有機酸類、アルコール、炭酸ガスなどに変えることを言います。
人間が食べて美味しいと思える状態への変化です。
「腐敗」とは一般的には腐っていて人間が食べることができない状態です。
「発酵」と「腐敗」の共通点は、微生物の力によって物質が変化することです。
しかし人間目線で有益であれば「発酵」になり、害があれば「腐敗」となります。
そして「熟成」には微生物の介在を伴わないという考えがあります。
「発酵」よりさらに先の過程が「熟成」になります。
「熟成」は「発酵」よりも時間をかけて寝かせた状態。
そしてさらに、美味しい状態と言えます。
まとめ
「発酵」と「腐敗」は人間にとって有益か、害があるかです。
一方「熟成」とは「発酵」よりも、さらに先の過程になります。
「発酵」「熟成」は人間が食べることができる状態、「腐敗」は基本的には食べることができません。
また、「腐敗」という言葉は精神的に堕落した状態を表現することもあります。
普段よく目にする言葉ですが、「発酵」「腐敗」「熟成」は主に食品の状態を表す場合が多いです。