ニュースやビジネスシーンなどでよく見聞きする「提携」、「協業」、「連携」ですが、それぞれどのような言葉なのでしょうか?
この記事では、「提携」と「協業」と「連携」 の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「提携(ていけい)」の意味とは?
「提携」とは、「互いに助け合うこと」や「共同で物事に取り組むこと」という意味です。
ビジネスにおいては、企業間で「業務提携」を結ぶことによって市場での競争力を強めることができると言われています。
「業務提携」には様々な種類があり、提携企業間が共同開発して新しい技術を生み出す「技術提携」や、新しい製品を開発する「生産提携」、その他にも「仕入れ」や「販売」の部門を他企業に 託する「仕入れ提携」や「販売提携」などもあります。
また、1つの事業に対して、企業間で資本を共有する「資本提携」や、関係をより強固なものにするために「業務提携」と「資本提携」を同時に結ぶ「資本業務提携」という形態もあります。
「協業(きょうぎょう)」の意味とは?
「協業」とは、「一連の生産過程で複数の人が計画的、かつ組織的に労働する生産形態」という意味です。
「協業」は、もともとイギリスの経済学者である「アダム・スミス」により唱えられました。
その後、ドイツの経済学者である「カール・マルクス」は「単純協業」(同種同質の労働をする協業)から「マニュファクチュア」(異種労働を分業した協業)への段階的発展を経て、やがて最新の協業形態に至ると唱えました。
また「協業」は「企業間で業務提携を結ぶ」という意味でも使われており、最近では「アライアンス」=“alliance”(同盟・提携・連合・縁組み・強調という意味)と表現されることもあります。
「協業」も先述した「提携」も同じような意味ですが、「提携」は「〇〇提携」のように、より具体的に協力関係を言い表すことができます。
「連携(れんけい)」の意味とは?
「連携」とは、「お互いに連絡を取り合い、協力して物事を遂行すること」という意味です。
バスケットボールなどのチームスポーツでは、「選手がパスしたボールを、別の選手が受け取り、シュートを決めること」などを「連携プレー」と呼びます。
ビジネスにおいては、「提携」や「協業」では同じ目的を持った提携企業同士が同じ行動を取るのに対し、「連携」は目的が同じでも、提携企業ごとに別々の行動を取る場合が多いようです。
バスケットボールの例でいえば、「試合に勝つ=点を取る」という同じ目的に対して、「パスする選手」と「シュートを決める選手」で選手の行動が分かれています。
そのため、企業間の繋がりは「連携」に比べて、「提携」や「協業」のほうがより強いとされています。
まとめ
・「提携」とは、「互いに助け合うこと」や「共同で物事に取り組むこと」という意味です。
・「協業」とは、「一連の生産過程で複数の人が計画的、かつ組織的に労働する生産形態」という意味です。
・「連携」とは、「お互いに連絡を取り合い、協力して物事を遂行すること」という意味です。
個人間だけでなく、企業間のビジネス上の協力関係においても「提携」、「協業」、「連携」が用いられます。