「一様」と「一応」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「一様」と「一応」の違い生活・教育

この記事では、「一様」「一応」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「一様」と「一応」の違い

「一様(いちよう)」は、「すべての対象が類似している様子」を意味している言葉です。

「一応(いちおう)」は音の響きだけは似ていますが、「一様」の持っている上記のような意味は全く持っていません。

「一応」というのは「とりあえず・差し当たっては」を意味している言葉であるため、「一様」とは全く異なる意味を持っている言葉になります。

「一様」「すべてありきたりで同じような特徴があるさま」を示唆していて、「一応」「とりあえず・念のため」を指している言葉であるところが違っているのです。


「一様」と「一応」の使い方の違い

「一様」は、「一様に全員が押し黙ったまま意見を言いませんでした」のように、「全部が同じようであるさま」を意味する使い方になります。

「一応」「一様」のように「すべてが同じさま」の意味で使用することはできません。

「一応」という表現は「一応、この回答でも正解とします」の文章などで、「万全とは言えないが、とりあえずのレベルを満たしているさま」の意味で使われる違いを指摘できます。

さらに「一応」「一様」にはない、「念のために」を指して使う使い方も持っています。


「一様」と「一応」の英語表記の違い

「一様」は英語を使用して表現すると以下になります。

“sameness”……物事の外観・中身などが同一であるさま。

一様。

“uniformity”……形式が画一的であること。

同じような感じで一律である様子。

一様。

“without discrimination”……区別がなくて同じような状態であるということ。

「一応」は英語を用いて表記すると以下になります。

“just in case”……もしもの場合のために。

万が一のために。

一応。

“tentative”……ビジネスメールなどで使用頻度が多い一応。

とりあえずの予定などを表現する時に使います。

“somewhat”……多少は。

ある程度のレベルで。

一応。

“for now”……今の段階では。

さしあたってのところは。

とりあえず・一応。

「一様」の意味

「一様(いちよう)」とは、「すべてのものが同一であるか非常に類似していること」を意味しています。

「一様」という言葉は、「すべて(みんな)の外見・特徴が同じである様子」の意味を持っているのです。

また「一様」には、「世の中で特別ではなくてありふれている様子・変わり映えしないさま」の意味合いもあります。

「一様」の使い方

「一様」という言葉は「黄色のチューリップが一様に咲いています」のように、「全部が類似した様子であること」の意味で使うことができます。

「一様」「社会において珍しいものではなくてありきたりであること」の意味合いでも使用されます。

例えば、「この行方不明の案件は一様な事件ではないと感じます」のような文章に応用することができます。

「一様」を使った例文

・『会議の参加者は一様に険しい表情をしていました。』

・『一様に無難な対応策を出してきましたが、その中には実際に問題を解決できそうなものはありません。』

・『みんなが一様にその非現実的な提案に対して賛成したので、どこかおかしいと思ってはいたのです。』

・『クラスの雰囲気がいつもと全く違っていたので、一様ではない出来事があったのだと気づきました。』

・『世間一様のアイデアや方法で挑戦しても、この難しい課題をクリアすることはまずできないでしょう。』

「一様」の類語

「一様」の類語には、以下の言葉があります。

・『同一(どういつ)』……複数のものに違いがなく同じである様子。

・『一律(いちりつ)』……すべてのものに対して前提条件が同じであるさま。同じ調子で違うものがない。

・『画一(かくいつ)』……変わったものがなくて、すべての形式・規格が同じであること。

・『同様(どうよう)』……みんな・全部が同じような感じであるさま。

「一様」の対義語

「一様」の対義語には、以下の言葉があります。

・『多様(たよう)』……一つ一つ・一人一人が違っていてさまざまであること。

「一応」の意味

「一応(いちおう)」とは、「とりあえず・まずは・さしあたり」を意味しています。

「一応」という表現には、「十分な水準とまではいえないが、最低限の水準・必要性を満たしている」といった意味のニュアンスが含まれています。

また「一応」は、「念のため・万が一に備えて」の意味合いも持っています。

「一応」の使い方

「一応」「一応、雨具と非常食を持っていきます」のように、「もしものことがあるのでとりあえず」の意味で使われます。

「一応」という表現は、「万が一の時のため・念のため」を示唆して使用することができるのです。

例えば、「一応、車の部品を一通り点検しておきました」のような使い方をすることができます。

「一応」を使った例文

・『天気予報の降水確率は低かったのですが、一応、傘は持っていくことにします。』

・『大した大学ではないのですが、私も一応、大学の理学部を卒業しています。』

・『一応、これらの書類の記載に不備や間違いがないか、もう一度チェックしてください。』

・『一応、試験に出る範囲の勉強は済ませているのですが、合格できる自信がありません。』

・『仕事で留守にしているとは思いますが、一応、彼が自宅にいないか確認してきてもらえませんか。』

「一応」の類語

「一応」の類語には、以下の言葉があります。

・『念のため』……今のままでもおおむね大丈夫ではあるが用心のために。

・『とりあえず』……万全ではないが差し当たり。今の時点でできることをまずしておくさま。

・『万が一』……ほとんどその危険性はないと思われるがもしかしたら。

・『アドホック』……根本的な対策ではなく、その場しのぎであること。

「一応」の対義語

「一応」「とりあえず・念のため」を示唆する言葉で反対の意味を考えづらいため、国語辞典などで定義される「一応」の対義語はありません。

まとめ

「一様」「一応」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「一様」「一応」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。