この記事では、「合同」と「共同」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「合同」と「共同」の違い
「合同」と「共同」には、2以上の複数人、複数個が一緒になる、一緒に行動するといった共通の意味があります。
しかし、厳密には、この両者には違いがあり、「合同」と「共同」を数で比較した場合、「共同」に比べ「合同」の方が複数人、複数個が一体となるといった意味が強くなります。
また、「合同」は、2以上の人やものが合わさり1つにまとまることといった意味となりますが、「共同」には、2以上の人やものが同じ目的を持ち、その目的に向かって協力すること、2以上の人やものが同じ条件でかかわりあうこと、といった意味があります。
これらの違いを含め、より詳しく「合同」と「共同」について、説明させて頂きます。
「合同」と「共同」の使い方の違い
「合同」と「共同」の使い方の違いとして分かりやすいのが、「合同チーム」と「共同チーム」の使い方です。
よく耳にする「合同チーム」の場合、部員数が少なく、1チームでは試合に臨むことができない場合、複数のチームが集まり、「合同チーム」を結成します。
結成された「合同チーム」は試合に勝つため、一致団結するものとなります。
一方、「共同チーム」の場合は、「合同チーム」のように部員数が少なく1チームでは試合に臨むことができない状態であることは同じですが、その意気込みに違いがあります。
「共同チーム」の場合、あくまでも、別々のチームであるということが大前提です。
そのため、一致団結し試合の臨むというよりも、ここのチームで試合に臨むといったニュアンスが強くなります。
また、この場合のユニフォームは、「合同チーム」は同じユニフォームで揃えることになるのに対し、「共同チーム」の場合は、自分たちのユニフォームをそのまま着用し試合に臨むことになります。
「合同」と「共同」の英語表記の違い
「合同」の英語は、congruent; congruenceです。
「合同事業」は、a joint undertaking [venture].
「合同演習」は、joint maneuvers
「合同の演奏会」は、a musical concert at which marijuana is smokedとなります。
「共同」の英語は、cooperationです。
「共同の精神」は、a spirit of cooperation、a cooperative spirit
「共同経営」は、joint management
「共同研究」は、joint [group] research(es)、a joint studyとなります。
「合同」の意味
独立した2以上の人やものが1つになる、合わさるといった意味がある「合同」。
「合同」の意味として重要なのは、2以上の人やものが合わさり1つになるということです。
そのため、数学で用いられる「合同」については、2つ以上の図形の形や大きさが完全に同じで、ピッタリを重なり合わせることができる状態を「合同」と言います。
「合同」使い方
2以上の人やものが同じ目的に向かって1つになるといった意味を持つ「合同」は、その意味を軸とした使い方となります。
オリンピックで言えば、北朝鮮と韓国との間で結成される「合同チーム」は、同じユニフォームを着用し、1つになりオリンピックに臨みます。
そのほか、「合コン」は「合同コンパ」の略語となり、そのほか、「合同練習」、「合同説明会」、「合同セミナー」、「合同会議」、「三角形の合同」などがあります。
「合同」を使った例文
・『就活のため、企業の合同説明会に参加することにした。』
・『合同チームを結成し、この度、夏の大会に出場することになった。』
・『3チームが集まり、合同練習を実施することになりました。』
・『三角形の合同条件は、全部で3つあります。』
「合同」の類語
「合同」の類語には、加わる、合わさるといった意味として、結合や合流、融合など。
特定の2つ以上が1つになるといった意味として、協同や同盟などがあります。
「合同」の対義語
「合同」の対義語は、分裂。
分裂には、いくつかに分かれるといった意味があります。
「共同」の意味
独立した2以上の人やものが同じ目的に向かって協力すること、同じ条件でかかわりあうこと、といった意味がある「共同」。
「共同」の意味として重要なのは、同じ目的に向かって協力し合うことで、決して、1つになる必要はないという点です。
「共同」の使い方
独立した2以上の人やものが同じ目的に向かって協力しるといった意味がある中、決して、1つになるということではない「共同」。
そのため、使い方としては、「共同トイレ」や「共同浴場」、「共同施設」、「共同経営者」、「共同墓地」などとなります。
「共同」を使った例文
・『なんとなく、共同トイレを使用することに抵抗を感じてしまう。』
・『シェアハウスの場合、キッチンやトイレなどの水回りは共同で利用することになる。』
・『幼馴染と共同でカフェを経営することになった。』
・『離婚しても父親、母親とで一緒に親権を持つことができ、それを共同親権と言います。』
「共同」の類語
計画を一緒に実行するといった意味としての「共同」の類語は、協調、協力、団結など。
一緒に働く、動くといった意味としては、コラボ、共著、共作などがあります。
「共同」の対義語
「共同」の対義語は、単独、個人向けです。
どちらも、個々で動く、使用するといった意味があります。
まとめ
このような違いがある、「合同」と「共同」。
同じ協力し合うという意味でも、1つになる必要があるか、ないか、によって使い分けが必要な言葉となります。