この記事では、「感想」と「意見」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「感想」と「意見」の違い
「感想」とは、ある物事について思ったこと、感じたことです。
「意見」には、2つの意味があります。
1つめは、ある物事についての主張・考えです。
もうひとつは、自分の考えを述べて、人の悪い点を指摘して正そうとすることです。
「感想」の意味と、「意見」の意味にある、ある物事についての主張・考えという意味が似ていますが、まったく同じことを意味しているのではありません。
「感想」の場合は、思ったこと・感じたことです。
ある感じを心にもつという意味になります。
思ったこと・感じたことを、人に認めさせようという意味は含まれていません。
「意見」の場合は、主張・考えです。
自分の考えたことを他人に認めさせようという意味が含まれています。
小中学校の夏休みの宿題には、読書感想文というものがあります。
これは、ある本を読んで自分が思ったこと・感じたことを作文として書く宿題です。
読書「感想」文といわれるのは、思ったこと・感じたことについての文章だからです。
自分の考えを相手に認めさせようという目的ではないので、「感想」であり「主張」ではありません。
「感想」と「意見」の使い方の違い
思ったこと・感じたことについて「感想」を使用します。
主張・考えについてや、自分の考えを述べて人の誤りを正そうとすることに「意見」を使用します。
「感想」と「意見」の英語表記の違い
「感想」は英語で“one’s impression”や“impression”と表現をします。
「意見」は英語で、考えの意味では“opinion”や“idea”と表現をし、忠告の意味では“advice”と表現をします。
「感想」の意味
「感想」とは、ある物事について思ったこと・感じたことです。
映画を観ると、面白かった、つまらなかった、感動したなど、何かしら感じるものがあると思います。
その感じるものが「感想」です。
夏休みの宿題にある読書感想文は、自分の思ったことや感じたことを文章にして書く宿題です。
思ったこと、感じたことなので「感想文」といいます。
自分の考えを押し通そう、自分が書いた文章を読む人の考えを変えようといったものではありません。
「感想」は思ったこと・感じたことであり、感じたことなどについて相手と議論しよう、自分の思ったことを相手に押し付けようという意味は含まれていません。
人それぞれ思うことや感じることは違うので、同じ映画を観ても、違った「感想」を持つことがあります。
「感想」に正しいもの、間違ったものはありません。
「感想」の使い方
ある物事について思ったこと・感じたことを指して使用をします。
生きているといろいろな物事に出会い、出会った物事に対して何かを思ったり、感じたりします。
それらを指して「感想」といいます。
たとえば、ご飯を食べておいしいと思う、映画を観て面白いと思う、道端に咲いている花を見てきれいだと思う、こういったことが「感想」です。
「感想」を使った例文
・『たくさんの感想をもらった』
・『一冊の本について感想を語り合う』
・『よかったら感想を聞かせてください』
・『うれしいと感想を語っていた』
「感想」の類語
「所感」「所懐」「所存」が類語です。
心に思うところという意味があります。
会話ではあまり使われず、文章語として使われています。
「感想」の対義語
対義語はありません。
「意見」の意味
「意見」には、2つの意味があります。
1つめは、ある物事に対する主張・考えです。
「主張」には、自分の意見や説を相手に認めさせようとして強くいい張ることという意味があります。
「考え」とは、考えて得た結論や判断のことです。
よく考えた結果のものも、一時的な思いつきのものも「意見」といいます。
もう一つの意味は、自分の考えを述べて、人の過ちを指摘して間違いを正そうとすることです。
「父に意見される」のような使い方をし、非を指摘する意味が含まれています。
「意見」の使い方
ある物事に対する主張・考えの意味では、「意見を述べる」のような使い方をします。
自分の考えを述べて、人の過ちを正そうとすることの意味では、「上司が意見する」のような使い方をします。
目上の人に対しても、目下の人に対しても使用できる言葉です。
「意見」を使った例文
・『自分の意見を持つ』
・『相手の意見に耳を傾ける』
・『上司と部下の意見が食い違う』
・『みんなと意見をまとめるのは難しい』
「意見」の類語
「見解」「所見」が類語です。
「見解」には、物事に対する考えとう意味があり、「所見」には、ある事柄の意見、見た結果の意見という意味があります。
「意見」の対義語
対義語はありません。
まとめ
「感想」は思ったこと・感じたこと、「意見」は主張・考えで、2つの言葉が意味しているものは違います。