この記事では、「混雑」と「渋滞」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「混雑」と「渋滞」の違い
「混雑」には、3つの意味があります。
1つめは、物事が入り混じり秩序のない状態であることです。
2つめは、人がたくさん集まって込み合うことです。
3つめは、もめごとがあることです。
「渋滞」には、物事が滞って滑らかに進まないという意味があります。
「混雑」には3つの意味がありますが、その中で「渋滞」と意味が似ているのは、人がたくさん集まって込み合うことという意味です。
「車が渋滞する」「車で混雑している」と似たような使い方ができ、同じ意味のように感じますが、2つの言葉の意味は違います。
「渋滞」の場合は、すらすら進まないという意味があります。
お正月の終わりごろ、Uターンラッシュがありますが、あのような状態です。
「混雑」の場合は、多くのものや人が一か所に集まる意味があります。
進んでいるかどうかは意味に含まれていません。
駐車場にたくさんの車が集まっているような状態です。
「混雑」と「渋滞」の使い方の違い
込み合っていることについて「混雑」を使用します。
人にも物にも使用できます。
滑らかに進まないことについて「渋滞」を使用します。
人には使わず、物事に使うことが一般的です。
「混雑」と「渋滞」の英語表記の違い
「混雑」は英語で“congestion”と表現をします。
「渋滞」は英語で、物事がはかどらない意味では“delay”、交通がつかえる意味では“congestion”や“traffic jam”と表現をします。
「混雑」の意味
「混雑」には、3つの意味があります。
1つめは、物事の順序や筋道などなく、入り混じることです。
2つめは、たくさんの人が集まって込み合うことです。
バレンタインデーが近くなると、デパートではバレンタインフェアが開催されます。
人気のパティシエが出店するときには、多くの人がデパートに詰めかけます。
その様子がテレビで放送されることがあり、見たことがある方もいることでしょう。
あのような状態が「混雑」です。
AnimeJapanやコミックマーケットのようなイベントには、全国各地から大勢の人がやってきて、会場には人がたくさん集まります。
あのような状態も「混雑」です。
3つめの意味は、もめごとがあること、いざこざです。
争いごとやごたごたがあることを意味しています。
「混雑」の使い方
「混雑」には3つの意味がありますが、人がたくさん集まって込み合うという意味で使われることが多いです。
「会場は人で混雑する」のような使い方ができます。
人だけでなく物にも使用することができ、「車で混雑している」のような使い方ができます。
「混雑」を使った例文
・『混雑を避けて帰省する』
・『ゴールデンウイークの観光地は混雑している』
・『できるだけ混雑する時間帯を避けてご来店ください』
・『オンラインでのチケット販売にすることで混雑を避ける』
「混雑」の類語
「人込み」「雑踏」が類語です。
「人込み」にも「雑踏」にも、たくさんの人で込み合っているという意味があります。
「雑踏」よりも「人込み」の方が範囲が狭く、一か所に集まっている意味があります。
「混雑」の対義語
「空く」が対義語です。
たくさん集まっていた人の数が減って、空間にすき間ができるという意味があります。
「渋滞」の意味
「渋滞」とは、物事が滑らかに進まないことです。
ゴールデンウイークになると、多くの人が観光地に出かけます。
そのため、観光地の道路では多くの車がみられ、スムーズに車が進むことができません。
あのような状態が「渋滞」です。
「事務作業が渋滞する」のようないい方もでき、車以外のことについても意味しています。
「渋滞」は完全に止まってしまっていることではなく、少しずつですが進んでいます。
「交通渋滞」の場合だと、全く進むことができず、同じ場所に何十分ととどまっているのではなく、ほんの数センチ程度かもしれませんが、進んではいます。
また、とどこおっている原因ではなく、とどこおっているということに焦点を当てている言葉です。
「渋滞」の使い方
物事がすらすら進まないことについて使用をします。
完全に進まないことではなく、少しずつですが進んではいます。
「渋滞」を使った例文
・『渋滞しそうな時間を避けて出かける』
・『お正月には渋滞が予想されます』
・『リンパの渋滞を解消する』
・『交通渋滞でストレスがたまる』
「渋滞」の類語
「停滞」が類語です。
物事が調子よく運ばないという意味があります。
「渋滞」と違って、一か所にとどまっている意味です。
「渋滞」の対義語
「順調」が対義語です。
物事が調子よく進むという意味があります。
まとめ
似たようなことに使われている言葉ですが、「混雑」はたくさんの人が集まって込み合うこと、「渋滞」はとどこおることで、意味が違います。