この記事では、「失望」と「絶望」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「失望」と「絶望」の違い
「失望」と「絶望」は、どちらもネガティブなイメージの語です。
二つともに「望」という漢字が用いられていますが、一文字目の「失」や「絶」が「望」という字の持つ意味を打ち消しています。
「失望」と「絶望」には、意味の違いがあります。
「失望」は、簡単に言ってしまえば、「期待外れでがっかりすること」です。
望んだ通りに行かず、落胆したときの気持ちが「失望」です。
「絶望」は「希望がなくなり、一切の期待が持てなくなること」です。
非常に強い意味の言葉で、「全ての望みが絶たれ、何も期待ができなくなる」ということが「絶望」です。
「失望」と「絶望」の使い方の違い
「失望」は「がっかりする」という気持ちを表すときに用いられます。
一方「絶望」は「もう何もかも駄目だ」という、「覆せないほど希望が絶たれている状態」を表すときに使います。
「絶望感」と用いれば、「希望の一切ない気持ち」を表す語にもなります。
「失望」と「絶望」の英語表記の違い
「失望」は英語で“disappointment”です。
「絶望」を英語で表すと“despair”となります。
“despair”には「自暴自棄」「捨て鉢」という意味もあります。
「失望」の意味
「失望」とは、「がっかりすること」です。
人やものに期待をかけていて、それが外れてしまったときのがっかりした気持ちを「失望」と言います。
「失望」は「望みを失う」と書きますが、「望み」を「期待していたこと」と受け取ると理解しやすくなるかもしれません。
「期待していたことが失われて、落胆した気持ちになること」が「失望」です。
「失望」の使い方
期待をかけていたのに悪い意味で予想外の結果になってがっかりしたとき、「失望した」などのように使います。
人に期待をかけてもらったとき、「結果を出せるように頑張る」という意味で「失望されないように頑張ります」というふうに用いることもあります。
「失望させられた」と使う場合、その対象を非難するニュアンスを含みます。
これは、「期待していたのに、がっかりさせられてしまった」という意味になります。
「失望」を使った例文
・『予想以上に試験の結果が悪く、答案が返却されたとき、彼女は失望の色を隠せなかった』
・『君には失望しました』
・『今結果を出せなくても失望しなくていい。練習の成果はゆっくり出てくるから、とにかく続けなさい』
・『雪の予報が出ていたので、次の日の朝、子どもは一面の銀世界を想像して飛び起きた。しかしまったく積もっておらず、失望して泣き出した』
・『失望したということは、期待していたということです』
・『そちらが期待をかけるのは勝手だが、もし僕がうまくできなくても失望を表に出さないでほしい』
「失望」の類語
「失望」の類語は「落胆」(らくたん)です。
「落胆」とは「希望していた通りにならず、がっかりすること」です。
また、「幻滅」(げんめつ)も「失望」の類語です。
「幻滅」とは「期待や憧れが事実とは異なることを知り、がっかりすること」です。
「失望」の対義語
「失望」の対義語は「期待」(きたい)です。
「期待」とは「望みをかけて待つこと」です。
また、「成就」(じょうじゅ)も「失望」の対義語としてよいかもしれません。
「成就」には「ものごとが上達すること」の他に、「願いや望みが叶うこと」という意味があります。
「絶望」の意味
続いて「絶望」の意味について解説していきます。
「絶望」とは「希望が失われ、一切の期待が持てなくなること」です。
希望がまったくなくなってしまった状態のことを「絶望」と言います。
あることを望んでいたのに、僅かな望みすらなくなり、何も見込めなくなったとき、「絶望」という語が用いられます。
「絶望」の使い方
一切の望みが失われたときに「絶望」という語は使われます。
ほんの僅かにも希望が残っておらず、何もかも駄目になった、というときの気持ちが「絶望」です。
「絶望する」「絶望した」などのように用います。
将来への希望が絶たれたときに使う語です。
「絶望」を使った例文
・『恋人にもう二度と会えないことを知り、彼女は絶望した』
・『絶望するにはまだ早い』
・『母親に置き去りにされたと思い込んでその子どもは絶望していたが、実際はただの迷子だった。子どもと再会した時、母親は、よかった、と言って涙を流した』
・『信じていた人物から裏切られて絶望する』
・『配偶者に貯金を使い込まれていたと知り、彼は絶望しました』
・『絶望して自暴自棄になっていた僕を救ってくれたのは先生です』
「絶望」の類語
「絶望」の類語は「失意」(しつい)です。
「失意」とは「望みが遂げられず、落胆すること」です。
また、「悲観」(ひかん)も「絶望」の類語かもしれません。
「悲観」とは、「物事が思うようにいかず、失望すること」です。
「絶望」の対義語
「絶望」の対義語は「希望」(きぼう)です。
「希望」とは「実現するように望むこと」です。
また、「将来に対する期待」のことも「希望」といいます。
明るい気持ちや見通しのことです。
「有望」(ゆうぼう)も「絶望」の対義語と言えるでしょう。
「有望」とは「望みがあること」です。
まとめ
「失望」と「絶望」の違いについてまとめました。
「失望」は「期待が外れてがっかりすること」です。
「絶望」は「一切の望みがなくなり、何の期待も持てなくなること」です。