「収束」と「終息」と「集束」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「収束」と「終息」と「集束」の違いとは?生活・教育

「収束」「終息」「集束」、言葉の意味や違いをご存知ですか?

すべて「しゅうそく」と読みますが、意味・使い方にはそれぞれ違いがあります。

この記事では「収束」「終息」「集束」、それぞれの言葉の意味や使い方を、分かりやすく説明していきます。

「収束」とは?

「収」は物事が決着すること。

「束」はたばねる、くくる、ひとまとめにすること。

具体的には、次のような意味があります。

A. 分裂や混乱していた状況・事態が一定の状態に収まりがつくこと。

B. 数学などの数列において、ある一定の値に限りなく近づくこと。

C. 光線が一点に集まること。


「収束」の例文

・『一旦は収束したものの、まだまだ予断を許さない状況だ』
・『事態の収束を図る』
・『事件が収束する』


「収束」の類義語

収束の類義語には、次のような言葉があります。

・集束 ・収斂(しゅうれん) ・輻湊(ふくそう) ・輻輳(ふくそう)

「終息」とは?

「終」は文字通り終わりを表します。

また「息」という字には、「止む」という意味もあります。

二つの漢字を合わせて「完全に終わる」という意味になります。

「終息」の例文

・『戦乱が終息を迎えた』
・『天然痘は終息を見た』
・『感染症の終息宣言』

「終息」の類義語

終息の類義語には、次のものがあります。

・止る ・終了 ・終結 ・止む ・完了 ・終る ・終止 ・終わる ・完結 ・了する ・終熄 ・済む ・終決 ・止まる ・終息

「集束」とは?

「集」は寄り合う、つどうという意味があります。

「束」はたばねる、くくる、ひとまとめにするなどを意味します。

光などの束が、1つの点に集中することを言います。

「収束」と意味合いが重なるところもありますが、「おさまりがつく」などの意味は持ちません。

専門用語であるため日常会話で使う機会が、ほとんどありません。

「集束」の例文

・『集束レンズ(光線を一点に集めるためのビーム)』
・『集束イオンビーム(イオンを電界で加速したビームを細く絞ったもの)』

「集束」の類義語

・収束 ・収斂

「収束」「終息」「集束」それぞれの違い

用語の違いはお分かりいただけたでしょうか?

「収束」はおさまりがつくことをあらわし、混乱していた状況が「一定の状態に」落ち着く様を表します。

それに対して「終息」は、物事が「完全に」終わることを意味します。

また「集束」という言葉は、専門用語です。

「収束」と似てはいるものの、日常生活では使いません。

まとめ

以上が「収束」「終息」「集束」のそれぞれの言葉の違いです。

「収束」は混乱した状態が落ち着くこと
「終息」は混乱した状態が完全に終了すること
「集束」は専門用語。

日常生活ではほとんど使わない 「収束」「終息」は混同しやすい言葉です。

使い分けができている人は少ないのではないでしょうか。

この記事を参考にして頂けますと幸いです。