この記事では、「所」と「処」の違いを分かりやすく説明していきます。
言葉の差を調べていきましょう。
「所」とは?
所(ところ)とは、場所のこと。
スポットや地点、位置をあらわします。
「住んでいる所」のように住所をしめすこともあれば「寝ている所」のように、部屋をあらわすこともあります。
大きな空間から小さな空間まで、あらゆるスペースが所です。
もともと所という漢字は、納戸の入口をあらわす言葉。
そこから敷地や区域などを表現するようになりました。
所というのは、小学三年生で習う漢字です。
そのため新聞や雑誌、テレビの字幕には「所」が使われています。
親しみやすく読みやすいのが「所」です。
「処」とは?
処(ところ)とは、場所のこと。
住んでいる場所や、料理を食べているお店などをあらわします。
ただ処には「しょ」や「か」という、読み方もあります。
そのため「処分」や「住み処」のように、別の読み方で読ませることが多いです。
「処」と書いて「ところ」と読むケースは、ごく限られたシーンのみなので頭に入れておくといいでしょう。
もともと「処」は椅子に座る人にヒントを得て生まれた漢字です。
現在では時代劇や歴史小説を開かないと見かけない読み方ですが、知識のひとつとして抑えておきましょう。
「所」と「処」の違い
「所」と「処」の違いを、分かりやすく解説します。
いずれも「ところ」と読みます。
その差は常用漢字の読み方か、そうではない読み方かの違いです。
一般的に「ところ」と読む場合には「所」を使います。
そのためマスメディアの記事を読むと、多くが「所」で統一されています。
一方で「処」は常用漢字ではない読み方です。
「処」と書いて「ところ」と読ませることは滅多にありません。
その代わり映画のタイトルや小説の文章など、情緒的な余韻を大切にするシーンでは「所」よりも「処」が選ばれています。
読みやすさを考えるなら「所」、雰囲気を大切にしたいのなら「処」です。
また「処」と書いて「ところ」と読むケースは、私たちの身近な場所にもあります。
例えば「お食事処」は「おしょくじどころ」と読みます。
かつ丼やそば、うどんを出してくれる和風の食堂を指します。
そして「酒処」は「さかどころ」、つまり赤ちょうちんのある居酒屋をいいます。
そして「呑み処」は「のみどころ」、「呑み食い処」は「のみくいどころ」です。
どちらも女将さんや大将のいる、明るい飲み屋をいいます。
まとめると一般的に使うのが「所」、映画や小説、飲食店の名前に用いるのが「処」です。
まとめ
「所」と「処」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「ところ」と読みます。
常用漢字の読み方に当てはまるのが「所」、常用漢字の読み方ではないのが「処」です。
そのため日常的には「処」ではなく「所」をつかいます。
「処」は映画や小説など、雰囲気を大切にするシーンで使います。
「お食事処」や「呑み処」のように、お店の肩書きに使うこともあります。
覚えておきましょう。