この記事では、「遵守」と「厳守」と「順守」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遵守」とは?
言いつけやルール・きまり、法律などにそむかず、よく守ることを指す言葉で、逸脱せずにしっかり守ること、といった意味もあります。
「コンプライアンス遵守」「法令遵守」「速度制限遵守」などの使い方があります。
マンガのアニメ化で「原作を遵守している」という評価がありますが、こちらはキャラクターデザインの変化が少なく、ストーリーも原作のマンガとほぼ変わらず、原作のマンガにはないアニメオリジナルの要素を追加しないことが「原作を遵守」に必要な要素となり、原作のファンの評価は高い傾向があります。
英語ではComplianceとなります。
コンプライアンスを訳すと法令遵守の意味になるので、わずかですがニュアンスが異なる部分があります。
「厳守」とは?
規則や命令、取り決め、約束、時間などをきびしく守ることで、「時間厳守」であれば時間内に仕事を完遂するべきであるということを指します。
「秘密厳守」という言葉はプライベートにかかわる相談をする業務などで大事にされる言葉です。
「コンプライアンスの厳守」 という使い方もできます。
どちらかといえば二人以上の関係性のある時に使う言葉で、病院側から時間厳守を患者に求めたり、編集者が漫画家に締め切り厳守を求めるケースがわかりやすいでしょう。
ただし、一人でも目標体重厳守などのように、厳守すべきことを課することができます。
英語ではStrict adherenceとなります。
Strict が厳格、adherenceが遵守の意味です。
「順守」とは
遵守と全く同じ意味の言葉で、言いつけやルール・きまり、法律などにそむかず、よく守ることを指す言葉で、逸脱せずにしっかり守ることの意味があります。
順という字に大切に守るのではなく、素直に従うという見方を含める解釈もあり、その場合は若干柔らかい表現として受け取ることができます。
ただし、新聞、テレビでは文字表現の関係からか順守で統一されています。
公用文で使うのは「遵守」となっています。
「遵守」と「厳守」と「順守」の違い
「遵守」と「順守」はほぼ同じ意味合いの言葉で、使える文字の関係で使い分けることもありますが、公用文では遵守が使われます。
言いつけやルール・きまり、法律などにそむかず、よく守ることを指す言葉で、公的なルールや広く知られた決まりに対して使われるケースもあれば「原作を遵守したアニメ化」という使い方もあります。
厳守は規則や命令、取り決め、約束、時間などをきびしく守ることで、「遵守」と「順守」以上に厳しさ、強さのある言葉となります。
「締め切り厳守」、「借金の期日厳守」など、こちらの方が個人間の取り決めで使われるケースが多くなっています。
コンプライアンス厳守はコンプライアンス遵守よりも厳しい表現ですが、コンプライアンスを守るという目的自体は一緒です。
まとめ
「遵守」と「順守」はほぼ同じ意味、「厳守」はより厳しさ、強さを持って守るという言葉になっていますが、守る対象に関してはどの言葉でも同じものを当てはめることができるケースもあります。