「激昂」と「憤怒」と「激高」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「激昂」と「憤怒」と「激高」の違いとは?生活・教育

「激昂」「憤怒」「激高」
いずれも「怒り」に関する言葉ですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、「激昂」「憤怒」「激高」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「激昂(げっこう/げきこう)」の意味とは?

「激昂」とは、「激しく怒ること」「激しく感情が高ぶること」を意味し、おもに「怒り」を表す言葉です。

「激昂」「昂」とは「昂る(たかぶる)」と読むように、「上がる」「高まる」「興奮する」という意味を持ちます。

ただし、「昂」は常用外漢字であるため、新聞、雑誌、公用文書、法令など公的文章には使用されません。


「激昂」を使った例文

・『相手の無礼な態度に対して、思わず激昂する』
・『普段温厚な人が、昨日は珍しく激昂していた』
・『お客がひどく激昂した調子で、電話の向こうから怒鳴り散らしてきた』
・『彼女の嘘がばれたときには、彼は激昂するに違いない』


「憤怒(ふんぬ/ふんど)」の意味とは?

「憤怒」とは、「激しく怒ること」を意味する言葉です。

「憤怒」「憤」「憤り(いきどおり)」と読むように、「腹を立てること」「不平を抱く」「心が晴れずに悩み苦しむ」という意味を持ちます。

「憤怒」の読み方

「憤怒」「ふんぬ」とも「ふんど」とも読みます。

この違いは、漢字の読み方である「呉音」「漢音」に由来します。

「呉音」は朝鮮の「百済」から7世紀までに日本に伝わり、現代でも仏教用語の漢字の読み方に多く用いられています。

例として、
「明神」→めいじん× みょうじん○
「ご利益」→ごりえき× ごりやく○

「漢音」は中国の黄河中流地方の発音で、「呉音」より後の7世紀から8世紀(奈良時代から平安時代初期)に、遣唐使や中国人たちによって日本に伝わりました。

その後、「桓武天皇」により「漢音奨励の勅」が出され、当時の教育機関などで「漢音」の使用が義務付けられました。

現代の漢字の読み方は、ほとんどが「漢音」です。

「憤怒」は一般的には「ふんぬ」「ふんど」、どちらの読み方でも問題はありませんが、宗教的な意味合いで用いる場合は「ふんぬ」と読むのが適切なようです。

「憤怒」を使った例文

・『彼は憤怒のあまり、手を上げてしまった』
・『母親が憤怒した様子で子供を叱っていた』
・『憤怒した様子の彼をなんとかなだめて、落ち着かせた』
・『七つの大罪のうちのひとつに憤怒(ふんぬ)が含まれる』

「激高(げっこう/げきこう)」の意味とは?

「激高」とは、先述した「激昂」と同じく「激しく怒ること」「激しく感情が高ぶること」を意味する言葉です。

「激昂」と「激高」の違いとは?

「激昂」「昂」は常用外漢字であるため、新聞、雑誌、公用文書、法令などでは使用ができません。

そこで、「昂」に常用漢字をあてた「激高」が用いられるようになりました。

「激昂」「激高」もまったく同じ意味ですが、公的文章に使用する際は「激高」を用いるのが適切です。

まとめ

「激昂」とは、「激しく怒ること」「激しく感情が高ぶること」を意味する言葉です。

「憤怒」とは、「激しく怒ること」を意味する言葉です。

「激高」は、「激昂」と同じ意味の言葉ですが、「昂」が常用外漢字であるため、常用漢字をあてた「激高」が公的文章で用いられています。