この記事では、「惰性」と「慣性」と「習慣」の違いを分かりやすく説明していきます。
「惰性」とは?
今までの勢いや習慣を意味する言葉で、物理・化学の用語としては静止している物体は外からの力が働かない限り静止の状態を続け、運動している物体はその速度をそのまま持続しようとする性質をさします。
使われ方としては漫然とした、だらだらとしたという意味合いでも使われる言葉で「惰性で仕事をしている」という言葉は「今までの勢い」というよりは日々変わることなくだらだらと仕事をするという方向になり、ネガティブな言葉になります。
自動車や鉄道では惰性走行という加速減速の両方を行わない走行によって省エネルギーを目指すこともできる走行方法があります。
「慣性」とは?
ある物体が外力を受けないとき、その物体の運動状態は慣性系に対して変わらないという性質を表すという意味で、現在の速度を維持したままの運動を続けようとする性質という言い方もできます。
物理用語としては惰性と同じ意味になります。
言葉としては物理用語として使われ、人に対して使うことは少なくなっています、惰性には惰性走行・惰行などの使われ方もあり、慣性には言葉としての使われ方自体が少なく、日常会話に使われる慣れを意味した言葉にはなっていないと言えます。
英語では慣性、惰性ともにinertiaとなっています。
「習慣」とは
毎日の行動など、同じ状況のもとで繰り返された行動が、状況に応じて安定化・自動化されて行われる場合をさす言葉で、「朝起きてまず顔を洗う」であるとか、「新幹線では海側の窓側に座る」などを習慣といいます。
基本的に行動を指し、タバコを吸うなどよくない習慣もありますが、習慣はポジティブなものとしてとらえられる場合が多く、早起きの習慣、学習の習慣など身に着けるべき習慣として挙げられているものも多くあります。
英語ではHabits、mannerなどと表記できます。
また、人間だけでなく動物も習慣の概念は当てはめることができます。
意志の概念のないものは当てはめられません。
「惰性」と「慣性」と「習慣」の違い
「惰性」と「慣性」は動いている物体がその勢い・速度のまま動き続けようとすることを指しますが、日常会話での惰性の使われ方は元の意味からやや変化しており、「惰性で仕事をしている」という言葉では「だらだらとした」という意味合いに使われており、あまりいい意味ではありません。
慣性に関しては日常会話で元の意味から変化した言葉にはなっていません。
また、習慣は日常で決まったように行う行動を指す言葉で、エネルギーの動作を指す要素はなく、主に人間の行動を指すのに使われます。
まとめ
「惰性」と「慣性」は言葉としては「惰性」のほうが多く使われており、英語ではinertiaで同じ言葉になっているなど意味合いの近い言葉です。
習慣は英語でHabits、mannerと表記でき、人の行動に関わる言葉で惰性と慣性とは関わりのない言葉といえます。