この記事では、「天丼」と「天とじ丼」と「天重」の違いを分かりやすく説明していきます。
「天丼」とは?
「天丼」【てんどん】は、ご飯の上に天ぷらを乗せて甘辛いつゆをかけたどんぶり料理のことです。
もとは「天ぷら丼」という名前ですが、略した「天丼」という呼び方が一般的になっています。
「天丼」は、どんぶりに白いご飯をよそってから、その上に海老や野菜などのてんぷらを乗せ、砂糖、しょうゆ、みりんなどで作った甘辛いつゆをかけて作ります。
どの店で発祥したのかは定かではありませんが、江戸時代または明示時代、東京都内の蕎麦屋や天ぷら屋で作られ始めたという説があります。
東京発祥の「江戸前天丼」は、天ぷらをつゆにくぐらせてからご飯に乗せるスタイルが特徴です。
「天丼」といえば、天ぷら専門店や蕎麦屋などで作られる、大きな海老の天ぷらが2本並べられたものが知られますが、数種類の魚や野菜の天ぷらを乗せたもの、かき揚げを乗せたものなど、さまざまなバリエーションが存在しています。
「天とじ丼」とは?
「天とじ丼」は、卵とだしでとじた天ぷらをご飯の上に乗せたどんぶり料理のことです。
天ぷらと卵で作ることから「天玉丼」とも呼ばれます。
「とじる」とは、煮汁のある具に溶き卵を流し入れて加熱し、具とだしをまとめる調理法です。
「天とじ丼」は、小鍋に天ぷらとだし、調味料、うす切りにした玉ねぎを入れてから溶き卵でとじ、どんぶりによそった白ご飯の上にかけて作ります。
「かつ丼」は、天ぷらではなく豚かつをとじたもので、作り方は基本的に同じです。
「天とじ丼」に使われる天ぷらは海老が多いですが、特に種類に決まりはなく、かき揚げを乗せたものもみられます。
かき揚げを乗せた天とじ丼は「かき玉丼」と呼ばれることもあります。
「天重」とは
「天重」【てんじゅう】とは、重箱にご飯をよそってその上に天ぷらを乗せ、甘辛いつゆをかけた料理のことです。
「重箱」はうるし塗りの四角い容器で、ふたをして弁当箱として使ったり、おせち料理、会席料理などハレの日のごちそうを詰めたりするときに使われます。
「天重」は「天丼」と器が違うだけで、料理そのものは同じです。
ただし丼も重箱のほうが高級感があるため、飲食店では「天丼」よりも「天重」のほうが格上として扱われ、値段も少し高めになります。
実際に「天重」のほうが天ぷらの量が多かったり、おかずも入っていたりして、「天丼」より豪華になっていることが多いです。
「天丼」と「天とじ丼」と「天重」の違い
「天丼」「天とじ丼」「天重」の名前に共通する「天」は「天ぷら」のことであり、いずれもご飯の上に天ぷらを乗せた料理を指しています。
「天丼」は、ご飯の上に天ぷらを乗せつゆをかけたどんぶり料理です。
「天とじ丼」はつゆをかけず、天ぷらを溶き卵でとじてご飯にかけているところが「天丼」と異なります。
「天重」は「天丼」と同じくご飯に天ぷらとつゆを乗せた料理ですが、どんぶりではなく重箱を使っているところに違いがあります。
どんぶりでかきこめる「天丼」はどちらかというと庶民的な料理で、重箱に入った「天重」は少し高級な料理といった位置づけがなされています。
これは「うな丼」と「うな重」でも同じことが言えます。
まとめ
「天丼」と「天重」は調理法や味付けが同じで、「天とじ丼」だけ卵を使っているところが異なります。
お店で注文するときに言い間違えると違った料理が来てしまうので、これら三つの違いはしっかり把握しておきましょう。