この記事では、「憲法」と「法律」と「条例」の違いを分かりやすく説明していきます。
「憲法」とは?
「憲法」は、その国の中での最高位の法に位置づけられ、全ての法の基本となるものです。
法律や条例は、全て憲法で定められている方針に沿うように作る必要があります。
憲法に違反するような法律、条例は制定できません。
(憲法に違反するような法律は効力を有しない、と定められています。)
憲法の内容を変更する(憲法改正)場合は、国会の衆議院、参議院両方で3分の2以上の賛成で可決し、かつ国民投票で過半数の賛成票を得る必要があります。
「法律」とは?
「法律」は、国会で審議・制定されるもので、国全体に効力を持つものです。
法律は、効力を有する分野によってさまざまな種類に分かれています。
下記のような法律があります。
(法律の例)
・行政法(財産法などが含まれる)
・社会法(労働法、消費者保護法などが含まれる)
・民事法(民法、商法などが含まれる)
・刑事法
など
法律は条例の上位に位置づけられ、法律の内容に反する条例や、法律を超えるような規制を実施する条例は制定できません。
法律が制定されるには、国会の衆議院、参議院両方で可決される必要があります。
また、可決した法律は公布(国民への周知)を行ったのちに、施工(効力を持った状態に)されます。
「条例」とは
「条例」は、地方自治体で審議・制定されるもので、制定された地方でのみ効力を持つものです。
「条令」と表記されることもあります。
例えば、下記のような条例があります。
(条例の例)
・市役所の位置を定める条例
・消防団設置条例
・迷惑行為防止条例
・個人情報保護条例
・介護保険条例
条例が制定されるには、地方の議会で可決される必要があります。
可決した条例は公布(地方の住民への周知)を行ったのちに、施工(効力を持った状態に)されます。
また、地方で制定し、制定された地方でのみ効力を持つものとして、条例の他に「規則」があります。
これは地方公共団体の長や委員会などが制定するものです。
例えば、下記のようなものがあります。
・市長が定める規則
・選挙管理委員会が定める規則
・教育委員会が定める規則
「憲法」と「法律」と「条例」の違い
それぞれ、下記のような違いがあります。
「憲法」:国内で最高位の法に位置づけられる。
変更するには国会と国民投票による可決が必要。
「法律」:条例の上位に位置づけられる、国全体に効力を持つ法。
制定・変更するには、国会での可決が必要。
「条例」:地方自治体の中で効力を持つ法。
制定・変更するには地方議会での可決が必要。
まとめ
「憲法」と「法律」と「条例」はそれぞれ、私たちが暮らす上でのルール、ガイドラインとなっているものです。
それぞれがどのように制定、改正されていて、それぞれの力関係がどうなっているかを理解しておくことで、ニュースなどの内容や日々の暮らしの理解に繋げることができます。