この記事では、「原料」と「材料」と「原材料」の違いを分かりやすく説明していきます。
「原料」とは?
ものを製造、加工するもとになる材料を指し、加工後に原型をとどめていないもの、化学的加工を行う前のものと言う定義もあります。
ただし定義自体は明確なものではなく、合成ゴムの原料であればナフサ、プラモデルであればポリスチレンという樹脂、豆腐であれば大豆とにがり、パンであれば小麦粉、酵母、砂糖、塩など、オレンジジュースであればオレンジが原料となります。
建物や家で作る料理は原料という言い回しにはなりません。
「材料」とは?
ものを作るとき、そのもとにするもの、判断を確実なものとするための証拠となるもの、芸術表現の対象になるものなどの意味があります。
原型をある程度とどめていることと、物理的な加工前のものという定義があり、冷やし中華の材料であれば中華麺を指し、家の材料は木材や瓦、鉄骨などになります。
冷やっこの材料は豆腐と薬味です。
サンドイッチの材料としてのハムやパンなど単体として完成したものも材料となります。
また、改造前のもととなるものも材料というケースがあり、電車の模型の中間車両を材料に先頭車両に改造するという使い方ができます。
言葉として鉄道車両は原料ではなく材料を使い、鉄やステンレスが材料となります。
「原材料」とは?
製品を作る元となる物であり、原料と材料を組み合わせた言葉です。
食品衛生法・JAS法によって定義されている言葉でもあり、果物などではなく、冷凍食品や味噌のような容器包装に入れられた品物で(これらは一例で袋や箱に入った食品すべて)、店頭に陳列の上販売されるものは原材料等の表示が必要となります。
原材料と食品添加物の区分ごとに、重量の多いものから記入されています。
食品に使う傾向の多い言葉ですが、原料と材料両方に使えるため産業用原材料という言葉や、紙の原材料などの使い方もあります。
「原料」と「材料」と「原材料」の違い
原料は化学的な加工前のものの材料で、材料は物理的な加工前のもの素材という区分ができますが、やや定義は曖昧です。
クリームパンの材料としての、カスタードクリームなど、材料は一定程度手が加えられて作られたものも指すのに対し、原料は素材そのものを指すケースが多く、鉄鋼など、加工を前提としていたり、原型から大きく手が加わっていないものを指すことが多くなっています。
原材料はその両方の意味を持つ言葉となっており、 食品衛生法・JAS法によって定義されている言葉となっているため、包装された製品には明記が義務付けられているのが原材料で、言葉としても食品に使用されるケースが多くなります。
まとめ
「原料」と「材料」と「原材料」はすべて加工前のもととなる素材を指す言葉ですが、加工法や加工前、加工後の形態によって使われる言葉が異なります。
料理は一般的には材料、プラスチックなど化学製品は原料に区分できます。
また、原材料は原料と材料の意味をあわせ持ちます。