「故意」と「過失」と「重過失」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「故意」と「過失」と「重過失」の違いとは?専門用語・業界用語

幼いときなど、良くないことをした経験がある人は多いでしょう。

そのときの経験は「故意」「過失」「重過失」のどれに該当するか分かりますか。

どの言葉に当てはまるかで罪の重さが違ってくるでしょう。

この記事では、「故意」「過失」「重過失」の違いを分かりやすく説明していきます。

「故意」とは?

殊更に企み、わざとすることです。

自分の行為がどのような結果を生み出すか理解していて、あえて行う意思のことを言います。

刑法上は罪を犯す意思を犯意と言います。


「故意」の例文

「故意」という言葉は良くない結果になるときに多く使われます。

・『あなたは私に対して故意にメールを返していません。』

面倒なメールの内容や興味のない相手に対してメールを返さないことを繰り返すと、相手に故意であると伝わってしまい怒らせるでしょう。

・『彼は故意に無銭飲食しています。』

時々、故意ではなく、支払い済みだと勘違いして店を出てしまい無銭飲食するつもりがなかったのにしてしまう人がいます。

その場合はきちんと後で支払いに行けば無実ですが、故意に無銭飲食していれば有罪になります。


「過失」とは?

不注意、怠慢などのために犯した失敗のことです。

法では、結果を安易に予測できるにもかかわらず、注意を怠り、結果を予測しなかったことを表します。

「過失」の対義語は「故意」になります。

「故意」よりは「過失」の方が罪は軽くなります。

「過失」の例文

「過失」と失敗も似ていますが、不注意が理由で失敗したときのことを「過失」と言います。

・『私の過失で子どもにけがをさせてしまいました。』

子どもは目を離すと何をするか分からないので、過失にならないような環境作りと見守りが必要になります。

・『彼の過失で今日のホテルを予約できませんでした。』

ギリギリまで放置しておく人は過失が多くなり、周囲から呆れられるでしょう。

「重過失」とは?

重大な「過失」のことです。

不注意、注意義務違反の程度が甚だしいことを意味します。

通常の人が払うべき注意義務を著しく欠いているときに使います。

「重過失」は、「故意」と同視できる「過失」と扱われ、罪は重くなります。

「重過失」をした場合は、犯罪的結果を発生させる可能性が高くなります。

「重過失」の例文

酒酔いや居眠り、無免許、薬物使用での運転は非常に危険な過失になるため、「重過失」に当たります。

・『どんなに疲れていても居眠り運転は重過失です。』

命の危険を伴う過失はどんな言い訳も通用しません。

眠いときは無理せず休憩しましょう。

・『たばこの不始末による火災は重過失であり、罪になります。』

たばこなど火を扱うときは十分に注意し、間違っても火が付いたまま寝ないようにしましょう。

「故意」と「過失」と「重過失」の違い

「故意」は失敗とは言わず、意図的に良くないことを起こすこと、「過失」「重過失」は意図的ではないが良くないことが起こる、失敗を意味します。

罪の重さは「故意」「重過失」は同等に重くなり、「過失」は軽くなります。

「過失」「重過失」では罪の重さが「重過失」の方が重くなります。

まとめ

良くない行いは分類でき、罪の重さもそれぞれ違います。

同じ火災でも「故意」に火をつけたのか、火が消えたと思っていたけれど発火してしまった「過失」なのか、火が消えたことを確認せず外出してしまった「重過失」に当たるのか、どれに該当するかで印象が変わり、罪の重さも変わります。

「過失」であれ、起こることがないように最悪の事態を予測して気を付けましょう。