この記事では、「都市」と「都心」と「首都」の違いを分かりやすく説明していきます。
「都市」とは?
人口の集中して多い地域を指し、政治経済や文化、交通の中心・拠点となっている街や都会のことで、一つの都道府県にひとつというくくりはなく、東京都であれば多数の都市があると言えます。
都市の対義語は地方となっていますが、札幌圏、仙台圏、東京圏、名古屋圏、関西圏、広島圏、北九州・福岡圏を除いた都市圏を地方都市とする福祉医療機構によって定義された言葉があります。
より大きな都市部を指して大都市という言い方もあり、総務省の平成20年度版まで地方財政白書では札幌市、仙台市、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市、福岡市、など大都市として指していました。
その後は政令指定都市が大幅に増加したため大都市の表現を「政令指定都市」に改めています。
「都心」とは?
都市地域の中心部(面積的な意味ではなく、より人口密度が高い、より交通の要所となっている、ランドマークとなる施設が多数あるなど)を指す言葉で、日本においては東京都の中心だけを指す言葉ではありません。
「さいたま新都心」という駅名は少なくともさいたま市の中心部であるということができるでしょう。
大阪都心六区は大阪市の中央区、北区、西区、福島区、天王寺区、浪速区を指します。
東京では都心3区として千代田区、中央区、港区が指定されており、副都心4区が渋谷区、新宿区、豊島区、文京区となっています。
この定義は政治経済の要所であることが最も大きく、ついで交通の要所やランドマークとなる施設が多数あることが重視されていると言えます。
なお、都庁は新宿区にありますが、旧都庁の定義のまま変更されていません。
「首都」とは?
その国の中心となる都市のことを指す言葉で、日本であれば東京、アメリカであればワシントンDCなど政府の中枢機能を備えていることが大半ですが、最大都市であるということは定義には含まれておらず、カナダの首都オタワなど比較的小都市のケースもあります。
首都機能移転は国会など国の中枢機能を移転する考え方で、オーストラリアなど実現した国もあります。
「都市」と「都心」と「首都」の違い
「都市」中でも特に大きなものの政治経済や文化においての中心部を「都心」と呼び、都市の機能や交通をより集中させたものとなっています。
自治体ごとに都市はいくつか存在すると言えますが、都心はその中でも大都市と呼べる大きな都市の中心となるため都市以上に数が少なくなります。
首都はその国の中心となる都市のことで、国を運営する中枢機構を持ち、国にひとつずつしかありません。
都市や都心と異なり移転も可能です。
まとめ
都市は自治体の中でも大きな街を指し、人口などの関係から「市」であるケースが多くなります。
都心という概念は市ほどは広くなく、「区」で表されることがあります。
首都国にひとつだけのもので、日本では「都」で表されます。