この記事では、「褒める」と「誉める」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「褒める」と「誉める」の違いと使い方の違い
「褒める」も「誉める」もどちらも、人の行動などの行為を高く評価する際に使用される言葉です。
その違いは微妙に異なっていて、良い行動をした際に評価する際には「褒める」を使用し、栄誉や勝利などの実際の実績を評価する際には「誉める」を使用します。
また「誉める」については、常用外漢字となっているため、公文章やニュースなでどでは使用されず「褒める」の方が使われます。
友人や後輩などの著しい成功について評価する際には、「褒める」ではなくあえて「誉める」使う事で、より賞賛しているという気持ちを伝えられるでしょう。
また「誉める」は「誉めたたえる」というようなニュアンスで使用される事もありますので、部下が上司を「社員全員が部長を誉めたたえた」など目下の人が目上の人に対して使用しても、そこまで違和感はありません。
しかしながら、基本的に「ほめる」という行為は目上の人が目下の人に対して行う行為ですので、場合によっては失礼にあたってしまいます。
どちらの「ほめる」も基本的に相手にとっては嬉しく思える事ですので、どちらの言葉で評価したとしても悪い印象を与える事はありません。
「褒める」と「誉める」の英語表記の違い
「褒める」と「誉める」は日本語ではそこまで意味の違いはありませんが、英語表記だとどうなるのでしょうか。
英語表記の「ほめる」はその「ほめる」相手や状況によって使われる単語が異なります。
使用される単語を正しく使用しなければ、逆に相手に失礼になってしまう場合もあります。
大きな事について成功した事を「ほめる」場合は“praise”が使われ、「賞賛」「褒める」と言う意味があります。
同じ「褒める」でも相手の身なりにや物について「褒める」時は“Compliment”が使用され、この英単語には「お世辞」と言う意味もあります。
また相手が一人ではなく一つの団体であったり、大勢であったりした場合に“Recognize”を使用すると「認める」という意味になります。
そして日本語での「誉める」に、どちらかと言えば意味が似ているのが“Commend”です。
この単語は「この人は素晴らしい人であるから推奨できる」というような「推薦する」という意味が含まれています。
また簡単に相手を「褒める」場合には“nice”も使われますし、“perfect”なども「完璧ですね!」というニュアンスで「褒める」単語となっています。
他にも英語で相手について「褒める」を表す表現は様々なものがあります。
「褒める」の意味と使い方
「褒める」とは、「ほめる」と読み、相手の良い行動などについて高く評価する時に使用される言葉です。
「褒める」は常用漢字ですので、ニュースなどでは基本的にこちらの「褒める」を使用します。
相手の良いと思える行動について高く評価すると言う意味ですので、相手には悪い印象は与えません。
基本的に目上の人から目下の人に使われる言葉であり、先生が生徒を「褒める」、上司が部下を「褒める」と言うような使われ方をします。
逆に言うと、生徒が先生を「褒める」、部下が上司を「褒める」と使うと、場合によっては皮肉や嫌味と捉えられてしまいます。
「褒める」を使った例文
・『私の息子は、食事の後に自分の食器を必ず自分で洗う。重要なのはその行動を必ず褒めてあげる事だ』
・『犬のタロウはとても利口で、投げたボールを取ってきてくれる。頭をなでて褒めてあげると同時におやつも与えている』
・『あれだけ厳しかった父が、私が大会で優勝した時に褒めてくれたのには涙した』
・『子供を育てるにあたって、叱ることも必要だが、褒める事が得に重要だと思う』
・『人に対して怒りをぶつけている人より、良いところを褒められる人間になりたい』
「褒める」の類語
「褒める」の類語としては、「賞賛する」「称える」「賛美する」「絶賛する」「賞する」などが挙げられます。
「褒める」の対義語
褒めるの対義語としては、人を悪評を言う「謗る」や、悪口を言う「貶す」、酷い言葉で悪口を言う「罵る」、注意する事を意味する「叱る」や「怒る」などが挙げられます。
「誉める」の意味と使い方
「誉める」とは、「ほめる」と読み、「褒める」同様に相手の良い行動などについて高く評価する時に使用される言葉です。
この「誉める」は常用外漢字ですので、ニュースなどではこの「誉める」が使われることは無く、「褒める」の方を使います。
「誉める」はとても優秀で記録に残るような偉業を成し遂げた際などに使われます。
「褒める」については、基本的に目下の人が目上の人に使うことはありませんでしたが、こちらの「誉める」は、「上司を誉め称える」などと使用される事があります。
しかしこの場合の「誉める」であっても、状況によっては相手に失礼に当たる事もありますので、使用の際は言葉を言い換えるなどの注意が必要です。
また「誉める」については個人が個人を対象としている場合が多いですが、「誉める」については周囲が個人を「ほめる」場合に使われます。
「誉める」を使った例文
・『ノーベル賞受賞者を日本国民が誉め称えた』
・『赤字続きだった会社を、新社長が黒字に転換したことを素直に誉めたい』
・『5連覇という偉業を成し遂げたチームを心から誉めた』
・『色々なバッシングに耐え続け、金メダルを取った彼は誉めるに値するだろう』
・『日本人で初めて優勝した事は誉められて当然だ』
「誉める」の類語
「誉める」は「褒める」と同様の意味ですので、類語についても「褒める」と同じとなっています。
「誉める」の対義語
「誉める」の対義語についても「褒める」と同様となっています。
まとめ
「褒める」は常用漢字であるので、通常はこちらの「褒める」が使用されます。
しかし、相手の行動が記録に残るような非常に優秀であった場合「誉める」を使用する事があります。
しかしながらどちらの「ほめる」も基本的に目下の人に向かって使う言葉ですので、目上の人に対して使う場合は言い換えるなどの必要があるという事を覚えておくべきでしょう。