「損なう」と「損ねる」と「失う」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「損なう」と「損ねる」と「失う」の違い生活・教育

この記事では、「損なう」「損ねる」「失う」の違いを分かりやすく説明していきます。

「損なう」とは?

「損なう」【そこなう】とは、物を壊すこと、人の気持ちが傷つくこと、調子が悪くなること、悪い結果が起こることです。

漢字の「損」には、こわす、減る、うしなうなどの意味を持ち、「損なう」「なんらかの行動をした結果、ものが傷ついたり調子が悪くなったりすること」を表します。

「損なう」は、「~を損なう」の形で意味が成立する他動詞です。

主に、自身がしたことに対し悪い結果が返ってくること、ものを失ったり傷つけたりするさまを表します。

また、動詞と組み合わせた「~し損なう」の形で、「何らかの理由で~ができなかった」と機会を逃して実行できなかったことも表します。

その場合は「~そびれる」と言い換えることも可能です。


「損なう」の例文

・『失言によって部下の信頼を損なう』
・『急な来客があったため、昼食を食べ損なった』


「損ねる」とは?

「損ねる」【そこねる】とは、人の気持ちを傷つけること、調子が悪くなること、悪い結果が起こることです。

「損ねる」「損なう」と同じ他動詞で、主に、自身がしたことに対し、失う、機会を逃すなどの悪い結果が返ってきたこと、他人の気持ちを傷つけることなどを意味します。

また、「損なう」と同様に動詞と「~し損ねる」を組み合わせることで、何らかの理由で機会を逃して実行できないことを表します。

「損ねる」の例文

・『挨拶し忘れて担任教師の機嫌を損ねてしまった』
・『不規則な生活を続けることによって健康を損ねる』

「失う」とは

「失う」【うしなう】とは、持っていたものをなくす、手放すこと、または、保たれていた状態が乱れることです。

漢字の「失」は、ものがなくなる、ものが消える、普通の状態ではなくなる、という意味を持っており、「失う」はものがなくなってそれまでと違う状態になることを表しています。

「失う」は、目的語と組み合わせ「~を失う」の形をとる他動詞で、組み合わせる目的語によって示す意味が変わってきます。

たとえば、目的語が物であれば持ち物をなくすこと、人であればその人と別れること、バランスをとっているものであれば均衡が崩れることなど、さまざまな意味を指すことができます。

「失う」の例文

・『詐欺にだまされ、持ち金をすべて失ってしまった』
・『バランスを失って転倒する』
・『ジェットコースタ―に乗ってあまりの怖さに気を失った』

「損なう」と「損ねる」と「失う」の違い

「損なう」「損ねる」「失う」は、ものをなくすことに関連した言葉です。

「損なう」「損ねる」の意味にほとんど違いはありません。

微妙な差は、どちらかというと「損なう」は他人に起こった結果、「損ねる」は自分に起きた結果を指す、といったニュアンスの違いにあります。

「損なう」「損ねる」は、傷つける、減る、壊すことも表しますが、「失う」にそのような意味は含まれません。

「失う」はものが消えるために状態が変わるといったニュアンスが強く、「損なう」「損ねる」とは指している意味が少し異なってきます。

まとめ

「損なう」「損ねる」「失う」は、いずれもものをなくすことを表しており、互いの意味はよく似ています。

「損なう」「損ねる」は使い分け方がややこしいので、前後の文を読んで意味をかみ含め、自然なニュアンスに感じるほうを選択するとよいでしょう。