この記事では、倉と蔵と庫の違いを分かりやすく説明していきます。
倉とは?
倉は主に食べ物となる穀物や調味料などを保管する建物になります。
倉は食べ物が湿気にくく、カビが発生しにくい湿度がこもらないような構造となっています。
直射日光が保管してある食べ物に直接当たらないように、そして、倉の中の温度が高くならないための工夫として、日陰になるように考えられた構造であるのも倉の特徴です。
建物は大切な食べ物を火事から守るため母屋とは離れた場所にあり、厚い土壁で火を遮断できるようになっています。
また、風、雨にも強く、何百年と建つ倉まであるように、建物は地震にも強いのが特徴的。
構造は高倉、蒸籠倉、板倉、校倉などがあり、高倉は床面を高くすることでより穀物を最適な環境で保管できるようになっています。
また、高価な着物や装飾品、家財道具を保管するためにも利用する倉もある建物です。
蔵とは?
蔵とは、主に骨董品を適切な環境で保管するために建てられたものです。
資産家が趣味として集めた掛け軸や壷、絵画などを最適な環境で保管しておくためだけに建てられたもので、裕福な家の土地に建てられているのが特徴的。
倉と同様に土壁造りの蔵は頑丈で厚みのある建物のため、火事や台風から骨董品を守ります。
この厚みがある壁により、中は夏でも比較的涼しい環境になるため、日本酒を貯蔵するために使う酒蔵もあります。
田舎の方に行けば、江戸時代から続くお酢や醤油などの貯蔵庫としても蔵が使われており、冷蔵庫がなくても適切な温度管理で貯蔵が可能。
蔵の環境は酒や酢、醤油の発酵を促し、深みのある美味しい味に仕上がります。
庫とは?
庫とは、物をしまっておく建物を指します。
カビや埃対策がしてある庫には、湿気を嫌う書物や衣類、革製品、電化製品などを保管するのに最適な場所です。
必要なものを一時保管するとの意味合いもあります。
他にもお金を保管しておく金庫、車を雨風から守って置ける車庫があり、自動シャッタータイプや100人乗っても壊れない頑丈な車庫も人気を集めています。
最近は、中で作業ができるように照明が付いているもの、冷暖房、換気扇が付いているタイプもあり、効率よく作業ができるのが特徴的。
大きな倉庫では機械を置き、木材を加工したり、鉄を加工する作業場としての利用もできるようになっています。
倉と蔵と庫の違い
また、倉に保管するものは主に穀物や調味料などの食べ物になりますが、蔵は骨董品や大切なものを保管しておく建物、庫は荷物を保管しておく場所との違いがあります。
どれも物を保管する場所の意味があるのところは同じですが、中に保管する物に違いがある言葉です。
まとめ
倉と蔵と庫はどれも中に大切なものを保管して置く建物になります。
ただ、入れるものに違いがあり、建物の構造にも中に保管するものによって造りに違いが見られます。
大切な物を適度な環境で保管できるよう、昔の人は考え、工夫してきました。
そのおかげで、財産となる食料や骨董品などを長く保管できるようになった倉と蔵と庫は画期的な建物となったのです。