この記事では、「固形」と「固体」と「個体」の違いを分かりやすく説明していきます。
「固形」とは?
 柔らかさがなくて、一定の空間を占める大きさと形があるものです。
 飲み物は一定の空間を占めますが、柔らかさがあるのでこの言葉が意味するものではありません。
 スープも一定の空間を占めますが、柔らかさがあるのでこの言葉が意味するものではありません。
 しかし、スープをフリーズドライにした製品は、この言葉が意味するものです。
 フリーズドライにすると、柔らかさがなくなります。
 そして、一定の空間を占めており、形があります。
 こういったものは「固形スープ」といいます。
 石けんにはボトルに入っているものと、塊としてあるものとがあります。
 ボトルに入っているものは液状で柔らかさがあるので、この言葉が意味するものではありません。
 塊として存在しているものは、ある程度の固さがあり、この言葉が意味するものです。
 これは「固形石鹸」といいます。
「固形」の例文
 ・『固形のものは口にしたくない』
 ・『固形のルーを使ってカレーを作る』
「固体」とは?
 物質の状態の一つです。
 一定の空間を占め、形があり、外からの力に抵抗する性質を持っているものです。
 液体、気体に対する語です。
 水は常温では流動性のある状態です。
 水を製氷皿に入れて冷凍庫に入れてしばらくすると、流動性がなくなります。
 一定の空間を占め、製氷皿の形になり、外からの力に抵抗する性質もあります。
 冷凍庫に入れられた水は「固体」となったのです。
 金や銀などの金属は常温ではこの言葉が指す状態になっています。
「固体」の例文
 ・『固体に変える』
 ・『固体になってしまった』
「個体」とは
 2つの意味があります。
 ひとつは、哲学でそれ以上細かくされることがない統一体で、細かくされればそのもの独自のものが失われてしまう存在です。
 もう一つは、生きていくのに十分な機能と構造を持つ、それだけで存在している1コの生物体のことです。
 犬は生きていくのに十分な機能と構造を持っています。
 そして、それだけで生存をしている1つの生物です。
 そのため、この言葉が意味するものになります。
 ボルボックスという藻類の一種がいます。
 この生物は無性生殖を行い、親の中に子が入っているような形になります。
 1つの生物のよう見えますが、実は複数の生物によって作られています。
 これは群体といいいます。
「個体」の例文
 ・『固体を識別する』
 ・『固体に印をつける』
「固形」と「固体」と「個体」の違い
「固形」と「固体」の意味はほぼ同じです。
 形があり、一定の体積を占め、固さのあるものです。
「固体」は液体、機体とあわせた物質の3つの状態の一つを指します。
「個体」は固い、体積があるといった意味ではなく、1つの生物を意味します。
まとめ
「こ」という言葉がつく点が似ていますが、固さや形があるものという意味なのか、1つの独立した生物なのかという点に違いがあります。



