「本来」と「本当」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「本来」と「本当」の違い生活・教育

この記事では、「本来」「本当」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「本来」と「本当」の違い

「本来」には、2つの意味があります。

1つめは、何かをする前からそうであることです。

もう一つは、そうであることが一般的です。

「本当」には、3つの意味があります。

1つめは、事実とは違わず実際にそうであることです。

2つめは、本物に似せて作ったものではないことです。

3つめは、それが当たり前である道筋です。

どちらの言葉にも「本」という漢字が使用されています。

この漢字には、もともとという意味があり、2つの言葉にもその意味があります。

しかし、2つの言葉が持っている意味が全く同じなのではありません。

「本来」は、はじめからそうである、それが当然であるといった意味です。

正式にはというニュアンスになります。

「本当」は、偽物ではないという意味です。

このような違いがあるのですが、はじめからそのような状態であるという意味をどちらの言葉も持っており、この意味はほぼ同じです。


「本来」と「本当」の使い方の違い

奏するのが当たり前という意味で「本来」を使用します。

本物に似せて作ったものではないという意味で「本当」を使用します。

もともとの状態であるという意味では、どちらでもいうことができます。


「本来」と「本当」の英語表記の違い

前者の言葉はは英語で“originally”“primarily”と表現をします。

後者の言葉は英語で“truth”“fact”と表現をします。

「本来」の意味

「本来」には、2つの意味があります。

1つめは、何かをする前からそのような状態であるのです。

アマゾンの熱帯雨林は、もともとたくさんの樹木が生い茂り、数々の生物が生息している場所でした。

生息している生物をすべて調べられているわけではありませんが、地球に住む生物の4分の1が生息するといわれています。

しかし、現在は熱帯雨林の樹木が減少をし、それに伴い生息していた生物の種類や数が減っています。

火事、人間による伐採、気候変動などがその原因です。

こういったことがなければ、もともとは樹木が生い茂り、生息する生物種が多い場所でした。

この例でいえば、火事や伐採などがある前の状態を意味しています。

もう一つの意味は、そうするのが普通、そうするべきです。

普通は、自分で使ったものは自分で片付けると考えている人はいます。

しかし、中には自分で使ってもそのままにしてしまう人がいます。

自分で片付けるべきと考えている人は、そうするのが普通であるという考えを持っているといえるでしょう。

しかし、実際にはすべての人がそうしてくれるわけではありません。

この言葉には、正式には、今はそうではないけれどそうあるべきだという意味が含まれています。

「本来」の使い方

以前から変わりなくそうであるという意味で使用をします。

また、今はそうでないけれど、そうするのが当たり前という意味でも使用をします。

生徒が先に挨拶するべきなのにそうしてくれず、教師が先に挨拶しているなどです。

「本来」を使った例文

・『本来はあなたから連絡して欲しいところでしたが』
・『この道路は本来大型自動車が通行するためのものだった』
・『本来なら見逃してはいけないことだ』
・『本来は好奇心旺盛な動物です』
・『本来は明日出かける予定でした』

「本来」の類語

「元来」が類語です。

最初の状態から変わることなくという意味を持っています。

「本来」の対義語

ありません。

「本当」の意味

「本当」には、3つの意味があります。

1つめは、現実に存在することとたがわず、実際にそうであることです。

うわさは、うわさされている通りのことである場合もあれば、実際あったこととは違ったことが言われている場合もあります。

うわさされていることと実際のことが同じであることは、この言葉で表現することができます。

言われていることが実際と違いません。

このように、実際のことと、見た感じや言われていることなどが違わないことを意味しています。

2つめは、本物に似せて作ったものではないことです。

絹は、滑らかな手触りが特徴の線維です。

似た手触りの素材にレーヨンがあります。

絹のように滑らかな手触りです。

しかし、絹ではなく絹に似せたものです。

これは似せているものなので、この言葉が指すものではありません。

ある服の手触りはとても滑らかで、実際に絹を使っています。

レーヨンを使っているのではありません。

これは似せているものではないので、この言葉で表現することができます。

3つめの意味は、もともとの状態であることです。

何かをする前からそうである状態のことを意味しています。

もともとは食欲旺盛な人でも、風邪をひいたり、暴飲暴食で胃腸が疲れたりしたときには、食欲が低下をします。

風邪をひく、暴飲暴食をするなど、何かをする前には、食欲が旺盛な状態です。

この何かをする前の状態、この場合は食欲旺盛な状態が、この人にとっては最初からの状態です。

この例でいえば、食欲旺盛な状態のことを指す意味になります。

「本当」の使い方

偽物ではない、実際のことと違わないという意味で使用をします。

偽物ではないという意味では、物質についてだけでなく、正しい姿など態度についても使うことができます。

「本当」を使った例文

・『本当の価値をわかっていない』
・『本当のキャビアを使っています』
・『本当にこの値段でいいんですか』
・『本当のことは誰もわからない』
・『本当は優しい人です』

「本当」の類語

「実際」「リアル」が類語です。

「実際」は、想像や理論ではない現実の状態という意味があります。

「リアル」とは、そのままの状態のことです。

本物に近いといったニュアンスがあります。

「本当」の対義語

「本当」のことに似せていることが対義語で、「偽物」になります。

まとめ

似ている意味の部分がある言葉で、どちらの言葉でも表現できる事柄もあります。

しかし、それぞれ複数の意味も持っており、その点に違いがあります。

違う意味については、使われ方も違います。