この記事では、「転落」と「転倒」と「墜落」の違いを分かりやすく説明していきます。
「転落」とは?
転げ落ちることや堕落すること、立場が急激に落ちぶれることなどを指します。
転げ落ちるという言葉は高低差があって成立するもので、平坦な道を転落するとは言いません。
物理的に転げ落ちる使い方では「崖から転落する」、「船から転落する」「ソファーから転落する」などの使い方があります。
言葉としての対象は人だけでなく、ものや動物でも対象になります。
例えば「転落防止柵」は様々な対象の転落を防止しています。
立場や地位が落ちるという意味では「首位から転落する」「最下位転落」、「下の地位に転落する」などがあり、スポーツの世界の順位・地位をあらわす用途で使われるケースが多いです。
「転倒」とは?
逆さまになること、転んで倒れることを指す言葉です。
こちらは発生条件に高低差は含まれず、平坦な道で転倒することもありえます。
また、人や動物だけでなく、乗り物も転倒するといい、木や家具、脚立などの自力で動作しないものが倒れても転倒するといいます。
鉄塔など一定のサイズになると転倒することに破壊を伴うこともあり、倒壊という言葉になります。
人間が倒れて怪我をしたり、車が転倒して損傷した場合には倒壊という言葉は使いません。
大転倒事故という使い方もあり、転倒の勢いや被害の大きさを「大」という言葉に含めています。
「墜落」とは?
高いところから落ちることと、盛り上がった状態から急激に衰退する状況を指します。
物理的な墜落は「斜面からの墜落」「観測用気球の墜落」などの使い方があり、人、動物、乗り物を問わず使われますが、転落以上の高さから落ちることを指していると言えます。
なお、人や動物、乗り物以外、例えば看板など、ものに対しては落下という言葉を使う場合が多いです。
工事の作業員が装着する「墜落防止器具」はロープやフックを使った器具となっていて、高いところから落ちることへの対策とわかるでしょう。
「墜落」は重大事故のイメージが強く、盛り上がった状態から急激に衰退する状況を指す際には現在あまり使われていません。
「転落」と「転倒」と「墜落」の違い
「転落」は転げ落ちることで、「墜落」は高いところから劣るという意味になっており、「転落」をより強くした表現が「墜落」ということができるでしょう。
「転倒」は転ぶことで、「転倒して池に転落する」「転倒してゴンドラから墜落する」というように転倒が転落や墜落の発生条件になることがあります。
状況から転落や墜落から転倒とは言いません。
また、転倒は人、動物、乗り物だけでなく家具や木なども含み、転落と墜落は人や動物、乗り物が主な対象になり、ものは落下という言葉を使います。
まとめ
「転落」と「転倒」と「墜落」は転落が物理的に転がり落ちる、転倒が倒れる、墜落が高いところから落ちるという意味を持ちますが、転落は物理的な意味合いでなく、地位が下がるなどの意味でもよく使われる言葉です。