この記事では、「明瞭」と「鮮明」の違いを分かりやすく説明していきます。
「明瞭」とは?
「明瞭」とは、ものごとがはっきりしていること、及びそのさまを指す言葉です。
『彼の意見は明瞭で分かりやすい』のように、内容がはっきりしている場合に使われますし、『彼の話し言葉は語尾まで明瞭で聞き取りやすい』のように、外形的な意味ではっきりしている場合にも使われます。
「明瞭」の対義語・反対語は「不明瞭」や「曖昧」となります。
「鮮明」とは?
「鮮明」とは、あざやかではっきりしているさまを意味する言葉です。
『あの感動的な出来事は、今でも鮮明に覚えています』と言った使い方や、『あのプリンターなら鮮明な印刷が出来る』の様に使われます。
「鮮明」の対義語・反対語は「不鮮明」です。
「明瞭」と「鮮明」の違い
「明瞭」とは、ものごとがはっきりしていることを指す言葉で、「鮮明」とは、あざやかではっきりしている事を指す言葉で、ほぼ同義語の様に思えます。
しかし、この言葉の説明で違うのは、「鮮明」には「あざやか」と言う意味が付けられている点です。
すなわち、いずれの言葉もはっきりしていると言う意味では同じですが、「鮮明」は単にはっきりしているだけではなく、あざやかにはっきりしている事を意味するのです。
このニュアンスの違いを把握するために、先に記載した例文の「明瞭」と「鮮明」を入れ替えるとどんな感じになるか、そのしっくり具合を見てみましょう。
「明瞭」の例文は、『彼の意見は鮮明で分かりやすい』や『彼の話し言葉は語尾まで鮮明で聞き取りやすい』と変わります。
2つ目の文章には余り違和感を感じませんが、1つ目の文章はやはり変ですね。
また「鮮明」の例文は、『あの感動的な出来事は、今でも明瞭に覚えています』と『あのプリンターなら明瞭な印刷が出来る』に変わります。
こちらの方は、1つ目の例文は違和感がありませんが、2つ目の文章はやはり変に感じますね。
これは、話し言葉の語尾や出来事の記憶はあざやかにはっきりしていると表現しても、単にはっきりしていると表現しても、程度の差を感じるだけなので、おかしく感じないのです。
それに対して意見があざやかだと表現するのは少し変ですし、逆にプリンターの印刷の発色等は、あざやかかどうかを説明していrので、単にはっきりしているだけの表現はおかしく感じるのです。
以上の様に、「明瞭」と「鮮明」は単にはっきりしているか、あざやかにはっきりしているかの微妙なニュアンスの差とも言えます。
従って、使い分けが正しいか自信がない時には、文章内の言葉を置き換えて、違和感がないか、自分の意思が表現できるかを試されると良いでしょう。
まとめ
「明瞭」とは、ものごとがはっきりしていることを指す言葉で、「鮮明」とは、あざやかではっきりしている事を指す言葉で、ほぼ同義語の様に思えます。
しかし、「あざやか」の意味の有無によるニュアンスの違いは明確にあります。
使い分けが正しいか自信がない時には、文章内の言葉を置き換えて、違和感がないか、自分の意思が表現できるかを試し、上手に使い分けれられるように訓練されると良いでしょう。