相手を敬う時の表現として「尊重する」か「尊敬する」かで迷った経験はないでしょうか?
また、同じような意味として「敬意を表する」や「敬意を払う」という言い回しもありますが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「敬意」と「尊重」と「尊敬」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「敬意」の意味とは?
「敬意」とは、「けいい」読み、「相手を尊敬する心」や「うやまう気持ち」を意味する言葉です。
「敬意を表(ひょう)する」や「敬意を払う」といった慣用句で用いられることが多いようです。
「敬意」を使った例文
・『ここまで私を支えてくださった皆様に敬意を表します』
・『恩師の厚意に対して、敬意を払う』
・『上司の毅然とした振る舞いに、敬意を抱いた』
・『両親への感謝と敬意を込めて、プレゼントを贈ろうと思っている』
「尊重」の意味とは?
「尊重」とは、「そんちょう」と読み、「尊いものや価値あるものとして重んじること、大切にすること」を意味する言葉です。
「尊重」を使った例文
・『相手の意見を尊重した上で、自分の意見を主張するのが大事だ』
・『あの夫婦はお互いの立場を尊重し合う、理想的な関係だ』
・『平和を尊重する気持ちを忘れないためにも、戦争の歴史を学ぶ必要がある』
・『この団体は抗議活動を行い、人権尊重の訴えを投げかけた』
「尊敬」の意味とは?
「尊敬」とは、「そんけい」と読み、「相手の優れた人格や振る舞い、業績などに対してうやまう気持ち」を意味する言葉です。
「尊」は「尊ぶ(とうとぶ/たっとぶ)」とも書き、「価値が高いもの、貴重なものとして重んじる」という意味を表します。
「敬」は「敬(うやま)う」とも書き、「相手を尊んで、礼を尽くす」という意味を表します。
「尊敬」は、「尊」に類義語である「敬」が重ねられ、より相手を重んじる気持ちを強調した表現と言えます。
「尊敬」を使った例文
・『前人未到の記録を残したアスリートに尊敬の念を抱く』
・『彼は父親のことを今でも尊敬しているようだ』
・『あの人は近しい人だけでなく、部下からも尊敬されている』
・『尊敬する人物として、中世時代の偉人の名を挙げた』
「敬意」と「尊重」と「尊敬」の違い
「敬意」、「尊重」、「尊敬」はいずれも「対象を敬い、重んじる気持ち」を表す言葉ですが、「敬意」と「尊敬」は人を対象にして用いられます。
一方、「尊重」は「意見」や「立場」、「平和」など「重んじるべきもの、大切にするべきもの」を対象にして用いられることが多いようです。
まとめ
・「敬意」とは、「相手を尊敬する心」や「うやまう気持ち」を意味する言葉です。
・「尊重」とは、「尊いものや価値あるものとして重んじること、大切にすること」を意味する言葉です。
・「尊敬」とは、「相手の優れた人格や振る舞い、業績などに対してうやまう気持ち」を意味する言葉です。