「博士」と「修士」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「博士」と「修士」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「博士」「修士」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「博士」と「修士」の違い

「博士」「修士」はどちらも「大学院修了あるいは学術論文の承認で取得することができる学位」を意味していますが、「博士」とは「後期博士課程を修了した者に与えられる最上位の学位・最短三年間で取得できる学位」を意味しています。

「博士」に対して「修士」というのは、「前期博士課程(修士課程)を修了した者に与えられる学士(一般的な四年制大学卒業で取得できる学位)よりも上位の学位・最短二年間で取得できる学位」を意味している違いを指摘できます。


「博士」と「修士」の使い方の違い

「博士」「修士」の使い方の違いは、「博士」「修士を得た後に、大学院の後期博士課程を修了したり論文を提出したりして取得する最上位の学位」を意味して使われますが、「修士」のほうは「大学を卒業した後に、大学院の前期博士課程を修了して取得する学位」を意味して使われる違いがあります。

「博士」「D(Doctorの頭文字)」の略称で「D1・D2・D3(後期博士課程の1~3年)」と使われることがあり、「修士」「M(Masterの頭文字)」の略称で「M1・M2(前期博士課程の1~2年)」と使われることがある違いも指摘できます。


「博士」と「修士」の英語表記の違い

「博士」を英語で表記すると以下のようになります。

“doctor”(博士号の学位・博士)

“Ph. D.”“Doctor of Philosophy”(文系の哲学博士・博士)

“M. D.”“Medical Doctor”(理系の医学博士)

「博士」に対して「修士」という言葉を英語で表記すると以下のようになります。

“master”“master’s degree”(修士号の学位・修士)

“M. A.”“ Master of Arts”(文系の修士)

“M. S.”“Master of Science”(理系の修士)

このように、「博士」の英語表記は“doctor”であり、「修士」の英語表記は“master”であるという違いがあります。

「博士」の意味

「博士(はくし・はかせ)」という学位用語は、「大学院の前期博士課程(修士課程)で修士を得た後に、さらに後期博士課程を修了して取得する最上位の学位」を意味しています。

「博士」は、後期博士課程に進学してから最短三年で取得することが可能です。

「博士」には、後期博士課程修了によって取得する「課程博士」だけでなく、優れた内容の学術論文を提出して取得する「論文博士」があります。

「博士」の使い方

「博士」という学位用語は、「大学院の後期博士課程(3年間)を修了したり論文を提出したりして取得する最上位の学位」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「博士号を持つ博士になった後のキャリアプランが重要になってきます」といった文章で使用できます。

「博士」を使った例文

・『博士になるには、大学卒業後に修士になってからさらに後期博士課程に進む必要があります』
・『飛び級のない日本の学校制度では、最短で博士になっても27歳になります』
・『末は博士か大臣かと言われたが、現代では博士の就職も楽ではありません』
・『博士になった同級生は、大学に残って研究者になっています』
・『徹底的に学びたい専門分野があるのであれば、博士を目指すのも良い選択だと思います』

「博士」の種類

「博士」は大学院で博士号を取得する経路の違いで、後期博士課程を修了して取得する「課程博士」と専門的な学術論文を提出して取得する「論文博士」に分けることができます。

「博士」の学位も、一般的な博士号である“Ph. D. (Doctor of Philosophy)”と医学博士号である“M. D. (Medical Doctor)”の種類に大きく分類されます。

「博士」になった後の進路・キャリア

大学院で博士号を取得して「博士」になった後の進路・キャリアは、「民間企業・営利事業者」ではなく、「大学・研究機関における研究職、大学に残って大学教授を目指す教職」が多くなっています。

大学院で後期博士課程を修了して「博士(オーバードクター)」になった場合、最短コースでも27歳になってしまうため、一般民間企業の新卒採用枠からは外れてしまうことも多いのです。

「修士」の意味

「修士(しゅうし)」という学位用語は、「大学院の前期博士課程(修士課程)を修了して取得する学士(一般的な四年制大学の大卒)の上位となる学位」を意味しています。

「修士」は前期博士課程(修士課程)に進学してから最短二年で取得することが可能で、理系の修士であれば専門職としての就職に有利になることもあります。

「修士」の使い方

「修士」の使い方は、「大学院の前期博士課程・修士課程(二年間)を修了して取得する学士よりも上位の学位」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「学士の学問のレベルでは不足だったので、大学院で修士を取得することにしました」といった文章で使うことができます。

「修士」を使った例文

・『理系の学部では、大学院に進んで修士を取得する学生も大勢います』
・『修士を取得することで、一般的な大卒よりも高い専門性があると認められやすくなります』
・『研究者としてのキャリアを目指すのであれば、まず修士を取得すべきでしょう』
・『修士になるためには、大学院の前期博士課程を修了する必要があります』
・『学士になった時点で就職したい会社がなかったため、修士を目指すことにしました』

「修士」の種類

大学院の前期博士課程(修士課程)を修了して取得する「修士」は、「理系」なのか「文系」なのかによって英語での呼び方が変わることがあります。

文系学部の大学院の前期博士課程を修了して得られる修士の学位は“M. A. (Master of Arts)”と呼ばれることがあり、理系学部の修士号は“M. S. (Master of Science)”と呼ばれることがあります。

「修士」になった後の進路・キャリア

大学院の前期博士課程(二年間)を修了して「修士」になった後の主な進路・キャリアは、「後期博士課程への進学」「研究者・学者としての専門性を生かした就職」かになります。

後期博士課程まで進んで「博士」になると最短でも27歳になりますが、前期博士課程修了の「修士」であればまだ24歳であるため、民間企業も修士の専門性や研究者(開発者)としての能力を評価して積極的な採用をすることが多いのです。

まとめ

「博士」「修士」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「博士」「修士」の意味・使い方・英語の違いや種類・進路を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。