この記事では、「のっぴきならない」と「逃げ場のない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「のっぴきならない」とは?
「退くことも避けることもできない」という意味です。
自分の力ではどうにもならないということを言い表す言葉で、他人の力を借りたいときや、誰かに助けを求めたいときに使います。
漢字で書くと「退っ引きならない」となります。
この言葉は、「退き引き」という言葉が音便して「のっぴく」となり、「のっぴき」に打ち消しの「ならない」が付いてできたものです。
「逃げ場のない」とは?
「そこから逃げることが不可能な状況のこと」です。
何らかのピンチに陥っているものの、その状況を打開することもできなければ、逃げることもできないということを表します。
「逃げ場」とは、「自分の身を隠すのに都合のよい場所」のことで、それがないということは、心にゆとりがないということです。
「のっぴきならない」と「逃げ場のない」の違い
「のっぴきならない」と「逃げ場のない」の違いを、分かりやすく解説します。
「のっぴきならない」と「逃げ場のない」は、どちらも「避けられない」という意味を持つ言葉ですが、使い方には違いがあります。
「のっぴきならない」は、自分の力ではどうにもならない状況や事情を表すときに使います。
その一方で、「逃げ場のない」は、追い詰められたり、囲まれたり、窮地に陥ったりする状況を表すときに使います。
「のっぴきならない」の例文
・『今日はのっぴきならない用事があって、今夜の勉強会に参加できない』
・『彼はのっぴきならない立場に追い込まれているが、自分で招いたことなので、同情の余地はない』
「逃げ場のない」の例文
・『彼は彼女に浮気がばれてしまい、逃げ場のない状況になった』
・『敵に包囲されて、逃げ場のない袋の鼠になってしまった』
まとめ
「のっぴきならない」と「逃げ場のない」は似たような意味を持つ言葉ですが、ニュアンスに違いがあります。
「のっぴきならない」とは、「退くことも避けることもできない」という意味です。
その一方で、「逃げ場のない」とは、「そこから逃げることが不可能な状況のこと」です。
それぞれの言葉を正しく使い分けるように注意しましょう。