「適応」と「順応」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「適応」と「順応」の違い生活・教育

この記事では、「適応」「順応」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

適応と順応の違い

どちらの言葉にも、ある状況や条件にあうという意味があります。

「適応」はよくあてはまることです。

ある状況や条件にうまくあてはまることを意味します。

また、生物が周囲の環境にあわせて時間をかけて形態や修正を変化していくこと、人間が外部環境にあうように行動や考えを変えていく意味もあります。

「順応」は環境や境遇の変化にあわせて、それにあうように変化していくことを意味します。

また、外界の刺激に感覚器官が慣れていく意味もあります。

「適応」にも「順応」にも複数の意味があり、周囲の環境にあわせて変わっていくという点では意味はほぼ同じです。

それ以外の意味では「適応」はよくあう、「順応」はあわせていく、という点で違います。


適応と順応の使い方の違い

ある状況や条件によくあっていることには「適応」を使用します。

ある会社は営業をしてくれる人材を探していました。

その会社にAさんが面接を受けにきました。

Aさんは体を動かすことが苦ではなく、人と接することも苦ではありません。

どちらかというと、デスクワークのような座って行う仕事よりも、外回りの方が自分には向いていると思っています。

このAさんは営業に向いているといえるでしょう。

実際に入社して仕事をしてみると、会社が求めているものによくあっており、Aさん自身も自分にはあっていると思いました。

このような状況が「適応」です。

Bさんは体を動かすことは好きではなく、人と会話をするのは苦手です。

自分ではデスクワークが向いていると思っています。

それなのに、営業に回されてしまいました。

はじめは苦手だと思っていた営業の仕事ですが、やっていくうちにコツをつかんできたり、人と接することの楽しさに気が付いてきたりして、仕事が楽しくなってきました。

会社は最初、Bさんは適任ではなかったかなと思ったのですが、Bさんの変化をみて、やっぱりこの人にしてよかったと思えました。

このように変化してあうようになっていくことには「順応」を使用します。


適応と順応の英語表記の違い

「適応」は英語で“adaptation”と表記をします。

「順応」も英語で“adaptation”と表記をします。

適応の意味

「適応」には、3つの意味があります。

1つめは、ある条件や状況によくあてはまることです。

学校によっては、生徒それぞれの能力にあわせて数学や英語などのクラスを設け、授業を行っていることがあります。

ある条件や状況が能力で、それに教育方法があっていることは、「能力に適応した教育」といいます。

2つめは、生物が環境に応じて形態、性質、習性などを時間をかけて変化させていくことです。

ペンギンの祖先は飛ぶことができたといわれています。

しかし、現在のペンギンは飛ぶことができません。

代わりに水中を自由に泳ぎ回れる能力を獲得しました。

これは環境にあわせて形態や性質が変わったといえる「適応」の例です。

3つめは、人間が外部の環境にあうように行動や考えを変えていくことです。

いつも家では、食事をするとき音をたてて食べる、食器を下げないという人でも、お寺に修行に行ったら音をたてて食べることを慎み、食器を自分で片付けることでしょう。

これは外部の環境にあうように行動をあわせた例で、「適応」させたといえるでしょう。

適応の使い方

ある条件や状況にあっていること、環境にあわせていくことに使用します。

就職したばかりのころは会社に慣れていない状態でも、仕事を続けていくと慣れてきます。

こういったことに「適応」という言葉が使用されます。

適応を使った例文

・『新しいチームに適応する』
・『心配だったけれどうまく適応できているようだ』
・『なかなか適応することができない』
・『事態に適応した行動をする』
・『気候の変化に適応する』

適応の類語

「適合」「順応」が類語です。

適応の対義語

打消しの不をつけた「不適合」が対義語です。

順応の意味

「順応」には、2つの意味があります。

1つめは、環境や状況の変化にあわせて、それにあうように変わっていくことです。

引越しをすると周囲の環境は大きく変化をします。

最初は戸惑うこともありますが、長く暮らしていると周囲の環境に慣れてきます。

このようなことが「順応」です。

もう一つの意味は、外界からの刺激に対して、感覚器官が慣れていくことです。

明るい外から室内に移動をすると、昼間でも室内が暗く見えることがあります。

しかし、次第に目が慣れてきて暗さは解消します。

このようなことが「順応」です。

順応の使い方

外部環境にあわせて変わっていくことに使用をします。

よく使われるのは環境の変化に対してです。

引越し、転職、入学などをすると環境が変わります。

変わった環境に慣れてくことに「順応」という言葉が使用されます。

順応を使った例文

・『新しい環境に順応する』
・『姑との生活に順応する』
・『山岳地帯の環境に順応する』
・『順応するには時間がかかる』
・『順応できずに悩む』

順応の類語

「適応」「適合」が類語です。

順応の対義語

適した対義語はありませんが、対義語に近い言葉は「不慣れ」です。

まとめ

「適応」はよくあうこと、「順応」はあわせていくことという違いがあります。