政治家が諸外国の動向について、よく「遺憾」という言葉を使っていることを時折耳にすることがありますが、この言葉で「怒り」や「残念」という言葉を連想する人も少なくないと思います。
これらの言葉には意味の違いがあるのでしょうか?
そこでこの記事では、「遺憾」と「怒り」と「残念」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺憾」とは?
「遺憾」は「いかん」という読み方になります。
意味は「思い通りにことが運ばす残念なこと」「残り惜しく思うこと」ということを指しています。
一般的に「期待通りの結果や方向でないために不満に感じている」というニュアンスがあり、「期待したようにならない」と理解することができます。
「遺憾」の例文
「遺憾」の例文は以下の通りです。
・『総理がA国に対して遺憾の意を表明した』
・『君の考えを遺憾なく発揮してくれたまえ』
「怒り」とは?
「怒り(いかり)」は人の感情の1つであり、「いろいろな要因や理由で起きる憤り(いきどおり)」のことを意味しています。
いわゆる「おこること」です。
目的を達成できなかった場合や侮辱された時、身体を傷つけられた時などに沸き起こってくる感情と言っていいでしょう。
「怒り」の例文
「怒り」の例文は以下のようなものが挙げられます。
・『部長が君の言動に怒り心頭だよ。ちゃんと謝らなきゃ』
・『あまりの横暴なふるまいに怒りを抑えることができない』
「残念」とは
「ざんねん」と読む「残念」は「期待通りの結果や望んでいたようにならずに心残りなこと」「絶好のチャンスを逃してしまい悔しい気持ちになること」を指しています。
「残念」の例文
「残念」の例文は以下の通りです。
・『この機会を逃してしまったことは非常に残念なことだ』
・『あれだけ頑張ったけど残念だったな』
「遺憾」と「怒り」と「残念」の違い
ここで「遺憾」と「怒り」と「残念」の違いを見ていきましょう。
「残念」は「思いや気持ちのこと」を意味する「念」に「残」が加わり、「満足できずに心残りがすること」を言っています。
「残念」は「心残りのこと」をであることを示しており、「遺憾」と同じ意味であることから同義語として言い替えることが可能です。
これに対して「怒り」は「相手に対しての自分の感情の表現」であり、「心残り」を意味する「遺憾」は相手に対す感情的なことを言っているわけではありません。
自分が残念に思ったこと・心残りだったことを自分の感想として言っています。
そのために語気荒げて「遺憾に思う」と言う言葉でも「怒り」の感情がないことになるのです。
まとめ
ここまで「遺憾」と「怒り」と「残念」の意味や違いについて説明してきました。
人は感情をストレートに出してしまうこともありますが、できるだけそれを抑えて「遺憾」で表すことも櫃追うなのかもしれません。
とはいうものの、「怒り」を素直に出さなければならないこともあるので、ここは言葉を上手に使い分けることが大切でしょう。