この記事では、「認知症問題行動」と「BPSD」の違いを分かりやすく説明していきます。
「認知症問題行動」とは?
認知症の方が起こす徘徊や暴力行為、トイレの失敗、幻聴や幻覚などのことを指します。
これらの行動は、社会の常識やマナーに反するような好ましくない行動として捉えられることが多く、介護者や家族などが日常生活するうえでマイナスな影響を与えるものとされます。
認知症問題行動は、認知症の方の心理環境が大きく関係しており、その方によって現れる問題行動は異なります。
認知症問題行動には必ず理由があり、本人にとっては不安やストレスを表現する手段となっていることが多いと考えられます。
「BPSD」とは?
Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略で、認知症の行動・心理症状のことを意味します。
国際老年精神医学会は、「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の障害による症状」と定義しています。
BPSDは、認知症の中核症状に、周囲の環境や対応、性格などが影響して起きる、二次的な症状として考えられます。
BPSDは4つのカテゴリーに分類でき、それぞれ異なる行動・心理症状がみられます。
BPSDは感情面のケアや薬物治療などを用いて改善される可能性があります。
「認知症問題行動」と「BPSD」の違い
「認知症問題行動」と「BPSD」の違いを、分かりやすく解説します。
「認知症問題行動」とは、認知症の方が起こす徘徊や暴力行為、トイレの失敗、幻聴や幻覚などのことを指します。
これらの行動は、本人や家族、介護者などにとって大きな負担となります。
その一方で、「BPSD」とは、認知症の行動・心理症状のことで、国際老年精神医学会は「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の障害による症状」と定義しています。
BPSDには、幻覚や妄想、興奮や不穏、徘徊や攻撃的行動などが含まれます。
「認知症問題行動」の例文
・『祖父は認知症問題行動で、トイレの場所がわからなくなってしまいます』
・『父は認知症の問題行動で、夜中に家を出てしまうことがあります』
「BPSD」の例文
・『祖父はBPSDで、自分の部屋に盗聴器が仕掛けられているという幻覚に苦しんでいます』
・『父はBPSDで、自分の家だと思っている他人の家に入ろうとします』
まとめ
「認知症問題行動」と「BPSD」は異なる言葉なので、それぞれの意味を正しく理解できるようにしましょう。