人間の歴史と宗教は有史以来、切っても切れない関係にあり、それは今も続きます。
人々に教えと規律を与える反面、いがみ合い争いの火種になっていることはテロ事件や戦争などで歴史が教えてくれます。
我々日本人は比較的宗教的な戒律や成約から自由ではあり、他の国と比べると信仰心について会話をする事はない様に見えますが、実は多くの宗教の考えが元になった言葉があります。
今回はその中でも代表的な『神々しい』について見ていきましょう。
「神々しい」の日本語での解釈
『神』のイメージは面白いことに世界中で共通する点がとても多い存在です。
どこか気高く、神聖で、厳かで、光にあふれている絵が浮かぶ方が殆どだと思います。
神道や仏教でも神や仏はこの様に光り輝く清らかなイメージであり、キリスト教やイスラム教などの一神教でも神は光に溢れているイメージで語られます。
『神々しい』という意味はまさにこのままで、対象が神聖でどこか尊い様子を表した言葉です。
ただしこれは『神』自体を表す言葉ではなく、それ以外の何か人物や物に対して使われるのは注意をしなければならない点です。
「神々しい」の英語とは
英語の国と言えば、キリスト教が真っ先に挙げられます。
アメリカではお札に『In god we trust. 』(我らは神を信じる。)という表現が掛かれるぐらい、日本よりも宗教が身近な国です。
当然、神や神秘的なものに関する言葉は多くあり、『神々しい』という言葉はとても多くあります。
今回はその中の一部を見てみましょう。
『Divine』や『Holy』
これらの形容詞はそのまま『神々しい』という言葉に変換できる単語です。
『Divine』はラテン語の『Divinus』(神の様な)から派生していることから『神々しい』という訳にもっとも相応しいとはいえないでしょうか。
クリスマスソングでも『ホーリーナイト』という言葉がありますし、某有名RPGの魔法でも『ホーリー』がありますが、これらに使われる『Holy』も『神々しい』や『聖なる』という意味を表す単語です。
この2つを比べると『Divine』の方が言葉の成り立ち的にも現行の使われ方的にも『神々しい』という意味に近い単語です。
もちろん厳密な意味ですので、実際にはどちらでも使えてしまいます。
『Solemn』や『Venerable』
英語の『神々しい』には流石キリスト教と言える様々な度合の表現があり、代表的なのがこの二つです。
これらは先ほどの『Divine』と『Holy』が『神による』というイメージに近いのに対して、『Solemn』や『Venerable』は『宗教として培われた荘厳な神々しさ』を表しています。
例えば『神々しい美しさ』は『Divine Beauty』とは表現しても『Solemn beauty』とは言いません。
何故なら『美』そのものに宗教は関係ないからです。
『神々しい』を使った英語の例文(使用例)
・『Divine comedy』(神曲。イタリアの詩人、ダンテが作成したイタリア文学最高の作品の一つ。もともとはComedyだけだったのが、後になり『Divine』が付き『神々しい』や)『神聖な』という意味になった。)
・『The atmosphere in church is as solemn as a judge. 』 (教会の雰囲気はとても神々しいほどに謹厳だ。教会の持つ荘厳な神々しさを表す為に『Solemn』を使っています。)
・『There are many venerable shrines in Japan. 』(日本には多くの神々しい神社がある。宗教的な建物として荘厳で神々しいという意味で『Venerable』を使っています。これは『土地』に対しても使うことができる形容詞です。)
まとめ
如何でしたでしょうか。
宗教が身近な国が多い英語圏ならではで『神々しい』という言葉一つ取ってもバラエティに富んだ言葉があることがお分かり頂けたと思います。
宗教は文化でもありますので、言葉にも強く作用をしています。
これ以外にも是非調べてみるとより英語圏の方の文化に触れられると思いますので是非試してみて下さい。