日本語ではサソリに刺される際もふぐを食べる際も「毒」という言葉で表現します。
ですが、英語ではこの「毒」の種類によって単語を使い分けているのです。
この記事では、「毒」という意味を持つ“venom”と“poison”の違いを分かりやすく説明していきます。
「venom」とは?
毒の中でもサソリや蜂などが分泌し、刺したり噛んだりすることで人の体に入る毒を刺します。
あるいは「悪意、激しい憎しみ」のような感情に使うこともできます。
どちらの意味で使う場合も不可算名詞です。
「venomous」は形容詞で「有毒な」「悪意に満ちた」などと訳すことができます。
合わせて覚えておくと便利です。
「venom」の使い方
A. A scorpion has venom. (サソリは毒を持っている)
B. She is full of venom. (彼女は悪意に満ちている)
Aの文が「毒」の意味で使われる「venom」の例です。
使い方は一般的な名詞と同じですが、不可算名詞なので複数形になることはありません。
Bの文は「悪意」という意味で使われています。
「poison」とは?
日本語でも「ポイズン」という言葉が使われているように、「毒」という意味です。
特にふぐの毒や毒薬など、人が食べたり触ったりするものを指します。
基本的には不可算名詞ですが、毒の種類によっては可算名詞となることもあります。
また、「毒を入れる、毒殺する」という意味の動詞にもなります。
規則動詞なので過去形・過去分詞形は“poisoned”です。
「poison」の使い方
A. The frog has poison. (そのカエルは毒を持っている)
B. He poisoned your drink. (彼はあなたの飲み物に毒を入れた)
Aの文が名詞として使われている例です。
“venom”の例文とよく似ているように、使い方自体はほとんど変わりません。
Bの文では“poison”が動詞の働きをしています。
後ろに直接人を置き、「poison +人(人に毒を盛る)」という使い方もできます。
「venom」と「poison」の違い
毒が体内に入る経緯は異なりますが、使い方はほとんど同じです。
また、噛まれた毒なのか触った毒なのかなど、判断がつきにくいところもあります。
そのためあまり明確な線引きがされていない場合も多いです。
ただ、動詞として「毒を入れる」という使い方ができるのは“poison”だけなので、ここは区別して覚える必要があります。
まとめ
同じ「毒」という意味の“venom”“poison”の違いについて考察しました。
“venom”は生き物が分泌し、刺したり噛んだりすることで人の体に流し込む「毒」なので、サソリなどをイメージすると良いでしょう。
一方の“poison”は生き物が持っており、それに人が触れたり食べたりする「毒」です。
ふぐなどが分かりやすい例です。
きっちり使い分ける必要性はないですが、本来の意味をしっかり知っておくことは大切なので、区別して覚えておきましょう。