「先方」と「相手方」は双方とも人に対して使われる言葉ですが、使用する状況などが異なるため注意が必要です。
この記事では、「先方」と「相手方」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先方」とは?
「先方」は「せんぽう」と読む言葉で、「一緒に物事をおこなう一方の人」「相手」を意味します。
また、「先に見える方向」という意味で使用されることもあります。
漢字の「先」には「前方の位置」や「時間が早い」「先におこなう」といった意味があり、「方」は「自分以外の人を指して言う際の敬称」や「方角」「分野」などの意味が含まれています。
「相手方」とは?
「相手方」は「あいてかた」または「あいてがた」と読み、「相手の側」や「相手となる人」を意味する言葉です。
法律分野においては、「原告に対する被告」や「売り主に対する買い主」など「一方の当事者」という意味で使用されています。
「相手」は「物事を一緒におこなう人」を示し、「方」は「他の人を指して言う際の敬称」を表します。
「先方」と「相手方」の違い
「先方」と「相手方」の違いを分かりやすく解説します。
「先方」も「相手方」も「自分と一緒に何かをおこなう人」「相手」という意味を含んでいますが、使うシーンが異なります。
「先方」は「身内の間で使用する敬称」として知られ、ビジネス分野では社内や同じグループの中で使うのが一般的です。
また「先方」は、該当する相手が不在の時に使う言葉でもあり、その人が同席している時に使うことは不適切とされています。
一方、「相手方」は「相手の側」という意味を強めたい際に使うことが多く、比較的幅広い場面で使われています。
「先方」の例文
「先方」は、主に身内の間で相手のことを言う際に使用します。
また、「前方に見える方向」という意味で用いることもあります。
・『先方からはまだ返事をいただいておりません』
・『先方に大きくて綺麗な湖が見える』
「相手方」の例文
「相手方」は、「相手の側」や「相手の人」を強調したい時に使う言葉です。
ビジネス分野を中心に幅広いシーンで使用できる言葉です。
・『相手方の考えをよく聞く必要がある』
・『日程の変更を相手方に知らせてください』
まとめ
「先方」も「相手方」も「相手の人」を意味しますが、「先方」は身内の間で使用する敬称になります。
どちらもビジネスシーンなどでよく使われる言葉なので、場面に応じて使い分けましょう。
ぜひ語彙力アップに活用してください。