この記事では、「恩を仇で返す」と「寝首を掻かれる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恩を仇で返す」とは?
「恩を仇で返す」とは施しなどの恩義を受けた相手に対し、相手にとって良いことで返すのではなく、相手に害を与えることです。
誰かに良くしてもらったら礼で返すのは道徳的に当然のことですが、逆に相手に迷惑をかけたり相手が嫌がることなどをしてしまうことを指します。
礼儀知らずで非道徳的なことを責める慣用句です。
恩義に対する感謝がないことを責める意味合いがありますが、意図せず迷惑をかける場合などにも使われ、感謝の心があるかないかは問わずに使われます。
「寝首を掻かれる」とは?
「寝首を掻かれる」とは油断している相手を卑劣な罠や謀り事にかけて陥れられることです。
元々の意味は寝ている人の首を切って殺害することですが、これは命だけでなく名誉も掛けて戦っていた日本では非常に卑劣で卑怯な行為にあたります。
そこから転じて相手の油断につけこんで卑劣な手段で陥れることを寝首を掻く、そうされることを寝首を掻かれると言うようになりました。
寝首を掻くというのは作法を守らない恥知らずというような意味合いを含む言葉です。
「恩を仇で返す」と「寝首を掻かれる」の違い
「恩を仇で返す」と「寝首を掻かれる」の違いを、分かりやすく解説します。
恩義のある相手に対して迷惑や害を被らせるのが「恩を仇で返す」で、油断につけこんで陥れられることが「寝首を掻かれる」です。
「恩を仇で返す」は礼儀や道徳観の欠如に関する言葉ですが、「寝首を掻かれる」は作法やルールを守らないことに関する言葉と言えます。
まとめ
「恩を仇で返す」ことも「寝首を掻かれる」ことも両方失礼な出来事ではありますが、なにがどう失礼なのかは違います。
「恩を仇で返す」は礼儀や道徳観が欠けるのが失礼なのに対し、「寝首を掻かれる」のはルールや作法を守らず卑怯な手を使うのが失礼という言葉です。