日本語でも『以前』と『過去』という言葉は日常会話でもよく使われます。
ご存知の通り、英語は現在形、過去形、未来形、過去完了、現在完了など時制を文章でとても明確に定義をする言語ですので、この『以前』と『過去』の使い方も日本語と比べて少し特殊です。
この記事では「以前」と「過去」の英語の違いを分かりやすく説明していきます。
「以前」の英語
まずは投資の日本語の意味からおさらいをすると、『ある時点よりも前の時点』と言う意味になります。
漢字から比較的理解しやすいですが、実は『ある程度近い過去』という意味でもあります。
英語における『以前』は『Before』がとても一般的だと思います。
カタカナにもなっていますのでとても馴染みがある単語ではないでしょうか。
しかしこの単語は『ある時点よりも前の時点』という以外に過去完了形で『過去の一時点から見て』という条件がある事はあまり知られていません。
それでは『現在から見た』場合の『以前』は存在するのでしょうか。
実はしっかり存在しており、これも中学校レベルである単語の『Ago』です。
他の少し背伸びした表現では『Prior to~』というものもあります。
また、完了形などでよく見られる『Since』も『以前』と言う使われ方をする時があります。
「以前」の英語の使い方
『Before』の過去完了形の使い方は少し特殊ですので例題で見てみましょう。
例えば『I had met Nancy 10 years before. 』という文章は 『ある過去の時点を基準にしてその10年前に私はナンシーに会ったことがある。』という意味になります。
それでは『Ago』はどうでしょうか?『Before』と比較できる面白い違いがあります。
現在を基準にして具体的に表現した場合の例文で見てみましょう。
例えば『I guess I met you somewhere 5 years ago. 』(5年前に私はあなたとどこかでお会いしたと思います。)になります。
これが『Before』を使う場合はどうなるのでしょうか。
現在完了形では『I guess I have seen you somewhere before . 』になり、『Ago』は使えません。
この様に『以前』を表す場合は時制を明確にする英語ではとても厳密なルールがあります。
「過去」の英語
一方『過去』とは具体的に何を指すのか日本語から見てみましょう。
『過去』は過ぎ去った遠い昔のことを指します。
英語でもこれは同じです。
先ほどの『以前』とは違い『過去』はとても素直です。
『Past』が代表的に使われる単語で、英語と日本語の定義は全く同じと考えて間違いありません。
中には詩的な表現で『Bygone days』というものがありますが、これは話し言葉では殆ど使われることはありません。
「過去」の英語の使い方
前項でもご説明しましたが、『過去』の英語『Past』の使われ方はとても素直です。
しかし名詞としての使われ方と形容詞としての使われ方は若干違いますので注意が必要です。
一般的な名詞としての『Past』と使った例文では『People cannot undo the past. 』(人は過去をやり直すことはできない。)の様に『The』という冠詞を付けます。
形容詞としての使われ方で見てみますと『There are problems resulting from past errors. 』の様に冠詞を抜く場合もあります。
「以前」と「過去」の英語の違い
この違いは『以前』は『ある時点からある時点までの線で繋ぐイメージ』であるのに対して『過去』は『ある一点のイメージ』を表すという違いがあります。
時制を厳密に定義する英語では『以前』というのはとても様々な捉え方がありますので、必ずどこからどこまでの時制をカバーしている文章なのかを理解してから英単語を使う必要性があります。
まとめ
如何でしたでしょうか。
少しややこしい『以前』と比較的素直な使われ方の『過去』でした。
『以前』の使われ方については是非この機会に完了形の文法ルールをしっかりとおさらいすることをお勧めします。