日本語の場合、文によって名詞や代名詞そのものの形が変わることはありません。
代わりに「私が」「あなたの」など、助詞が変化します。
一方、英語の場合は名詞や代名詞そのものが変化します。
今回は、その中で“you”と“your”の違いを分かりやすく説明していきます。
「you」とは?
「あなた」という意味であることはすぐに分かる人が多いでしょう。
ただ、正確には「あなたは(が)」「あなたを(に)」と覚えてください。
“you”は主格か目的格なので、文の中で主語や目的語として使われます。
また、「あなたたちは」という複数形で使われることや、漠然と「人」を指すこともあります。
どの場合も主格か目的格です。
「you」の使い方
A. You are cute. (君は可愛い)
B. I’ll give you this book. (この本をあなたにあげましょう)
C. You have to take your shoes off in Japan. (日本では靴を脱がなければならない)
Aは主格の例で、文の主語になっているため、「君は」と訳しています。
一方でBは目的格として使われているため、「あなたに」という訳になります。
簡単な見分け方は動詞の前にあるか、後ろにあるかという点です。
英語では「主語+動詞+目的語」の語順になるため、動詞の前に来ているAは主格、動詞の後ろに来ているBは目的格というわけです。
ただ、疑問文など語順が変わる場合もあるので、文の構造をきちんと確認してください。
そしてCは漠然と「人」を表す場合です。
このような一般論を表す際の「you」は、敢えて訳に入れる必要はありません。
「your」とは?
「あなたの」という意味を表す所有格です。
“you”と同様に「あなたたちの」という意味で使われたり、漠然と「人」を指したりもできます。
「your」の使い方
A. Your son is so cute. (あなたの息子はとても可愛い)
B. Is this your notebook ?(これはあなたのノートですか)
C. Is this your house ?(ここがあなたたちの家ですか)
Aの文では「son」と付いて「あなたの息子」となっています。
このように「your+名詞」で「あなたの?」という形を作ります。
BとCは疑問文ですが、「your+名詞」の形は変わりません。
また、「あなたの」と「あなたたちの」の使い分けは見た目では分からないため、文脈で判断します。
「you」と「your」の違い
文中での働きが違うため、訳仕方が変わります。
“you”にも2種類あり、主格と目的格は分けて考える必要があります。
「you・your・you(・yours)」とまとめて覚える人も多いですが、これは主格・所有格・目的格(・独立所有格)の順番になっています。
日本語に直すと「あなたは・あなたの・あなたを(・あなたのもの)」です。
まとめ
人称代名詞である“you”と“your”の違いを考察しました。
文における役割が異なるので、「あなた」の後ろに付く助詞も異なります。
「you=あなた」ではなく、「あなたは」「あなたの」「あなたを」までセットで覚えておくと混乱することが減るでしょう。