「片目をつぶる」と「目くばせする」は双方とも「目」に関わる言葉ですが、それぞれ意味の違いなどはあるのでしょうか。
この記事では、「片目をつぶる」と「目くばせする」の違いを分かりやすく説明していきます。
「片目をつぶる」とは?
「片目をつぶる」は文字通り「片方の目を閉じる」という意味を持つ言葉です。
「ウインクする」ともいわれ、人に何かを合図する際のしぐさとしても知られています。
なお、イギリスの聖職者トーマス・フラーによる格言「結婚前には両目を大きく開いて見よ、結婚してからは片目を閉じよ」の影響か、「相手の多少の欠点には片目を閉じる程度の寛容さが必要」という意味合いで使用しているケースもあるようです。
しかし、「相手のミスや欠点を見逃す」という意味の比喩表現は「目をつぶる」が正しく、「片目をつぶる」は単純に片方の目を閉じることを示すと考えられています。
「目くばせする」とは?
「目くばせする」は「目を動かして何らかの合図を示したり意思を伝えたりすること」を意味する言葉です。
平安時代に「目で合図して知らせる」という意味で使用されていた「目をくはす」が由来となったようです。
「片目をつぶる」と「目くばせする」の違い
次に、「片目をつぶる」と「目くばせする」の違いを分かりやすく解説します。
「片目をつぶる」は「片方の瞼を閉じる」「ウインクする」を示し、「人に合図するときのしぐさ」という意味で使用されています。
一方、「目くばせする」は「目を動かして相手に何らかの合図を送ること」を示します。
「目を動かす」ことには視線の動きだけでなくまばたきも含まれることから、「片目をつぶる」は「目くばせするしぐさの一種」であるといえるでしょう。
「片目をつぶる」の例文
「片目をつぶる」は「片方の目を閉じる」「ウインクして相手に合図を送る」状況で使用されます。
「相手の欠点やミスを見逃す」場面には「目をつぶる」を使うのが適切とされていますので留意しておきましょう。
・『私語厳禁なので、片目をつぶって友達に合図を送った』
・『彼女は彼に向って愛嬌良く片目をつぶった』
「目くばせする」の例文
「目くばせする」は「目で合図を送ること」を示し、視線を動かしたりまばたきしたりして何らかの意思を相手に伝える場面で使用します。
・『彼女は意味深に目くばせした』
・『彼らは顔を見合わせて目くばせした』
まとめ
「片目をつぶる」は「ウインクする」ことを示し、「目くばせする」しぐさの一つと捉えられています。
両者の言葉の意味を認識して、状況に応じて適切に使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。