「已む無し」と「止む無し」は双方とも「やむなし」と読む言葉ですが、それぞれに意味の違いなどはあるのでしょうか。
この記事では、「已む無し」と「止む無し」の違いを分かりやすく説明していきます。
「已む無し」とは?
「已む無し」は「仕方がない」「やむを得ない」といった意味を持つ言葉で、「他に良い方法がない」場面で使用されます。
「已」の字が常用外漢字となるため、後述する「止む無し」もしくはひらがな表記の「やむなし」を使うのが一般的です。
「止む無し」とは?
「止む無し」も「仕方がない」「やむを得ない」という意味があり、「どうしようもなく、他に方法がない」シーンで用いられる言葉です。
上記で触れた「已」とは異なり、「止」は常用漢字のため日常でも使用できます。
また、ひらがな表記の「やむなし」に言い換えることも可能です。
「已む無し」と「止む無し」の違い
「已む無し」も「止む無し」も「仕方がない」「やむを得ない」といった同じ意味を持ち、使用するシチュエーションも同じといえます。
どちらを用いても間違いではありませんが、「已む無し」の「已」の字が常用外漢字であることから、「止む無し」の方を使うことが適切です。
「已む無し」の例文
「已む無し」は「仕方がない」「やむを得ない」「他に適切な方法がない」といった状況で用いられます。
「已」が常用漢字ではないため、実際に使う場合は「止む無し」表記にすることが望ましいでしょう。
・『豪雨のため競技会は中止も已む無しと検討されている』
・『スキャンダルが発覚したからには降格も已む無しであろう』
「止む無し」の例文
「止む無し」も「仕方がない」「やむを得ない」「他に適切な方法がない」というシチュエーションで使用します。
ひらがなで「やむなし」と言い換えることも可能です。
・『事故により電車が遅延しているので、遅刻は止む無しだ』
・『感染症拡大防止のためには、懇親会の延期も止む無しでしょう』
まとめ
「已む無し」と「止む無し」はどちらも同じ意味を持ちますが、「已む無し」には常用外漢字が含まれているため使う機会は少ないかもしれません。
双方の違いを認識して、適切に使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。