この記事では、「埒が明かない」と「埒もない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「埒が明かない」とは?
「埒が明かない」とは物事が全然進展しないという意味です。
埒というのは馬場の仕切りや囲い、現代で言うと馬が走るコースの柵であり、転じて物事の区切りを指します。
元々はそういった物事の区切りがつくことを埒が明くと言っていましたが、現在では否定形にすることで逆にいつまで経っても区切りがつくどころか進展しないという意味の慣用句として使われるようになりました。
「埒もない」とは?
「埒もない」とはめちゃくちゃで秩序がなく、筋が通らないという意味です。
埒が明かないの埒と同じですが、そういった仕切りや囲いがないということは馬場の道筋が決まっていないということであり、埒もないという言葉も筋や道理がないという意味になります。
まためちゃくちゃなことという意味以外にも、つまらない取るに足りないという意味も持つ言葉です。
「埒が明かない」と「埒もない」の違い
「埒が明かない」と「埒もない」の違いを、分かりやすく解説します。
物事が進展しないことが「埒が明かない」で、物事に道理がなくめちゃくちゃなことが「埒もない」です。
「埒が明かない」は進捗や物事の進み具合についての言葉であり、「埒もない」は物事の内容についての言葉になります。
「埒が明かない」の例文
・『話が堂々巡りで埒が明かない』
・『何度聞いてもはぐらかされて埒が明かない』
「埒もない」の例文
・『埒もないクレームばかりで辟易する』
・『埒もない世間話で時間を潰す』
まとめ
物事が進まないという進展についての言葉が「埒が明かない」なのに対し、「埒もない」はめちゃくちゃで筋が通らない、あるいは取るに足りないつまらないことという物事の内容を表す言葉という違いがあります。
同じような言葉と思っている人も多いですが、全くの別物なので意味の違いははっきり理解しておくべきでしょう。