この記事では、「撫でる」と「撫ぜる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「撫(な)でる」とは?
「撫でる」は「手のひらで軽く触れてさする」、「風や物などが軽く触れること」、「髪に櫛を入れる」、「大切にする」、「いたわる」、「慈しむ」という意味を表す言葉です。
「撫でる」の使い方
「撫でる」は動詞として使われています。
「撫(な)ぜる」とは?
「撫ぜる」は先述した「撫でる」の音を変化させた表現です。
「撫ぜる」は「撫でる」が訛った言葉とされています。
「撫ぜる」が用いられている地域には東北地方だと岩手県や福島県、関東地方だと茨城県や栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、北陸地方だと富山県や福井県、中部地方だと岐阜県や愛知県、近畿地方だと和歌山県や神戸、中国地方だと鳥取県や島根県、広島県、四国地方だと愛媛県などで確認されています。
「撫でる」の古語は「なづ」であり、「なづ」から「なぜる(=撫ぜる)」へと音が変化したのではないかとも考えられています。
「撫ぜる」の使い方
「撫ぜる」は動詞として使われています。
「撫でる」と「撫ぜる」の違い
「撫でる」が訛って変化した言葉が「撫ぜる」です。
したがって、発音は異なりますが、指し示す意味はどちらも同じです。
4. 「撫でる」の例文 ・『テストで好成績をとった子どもの頭を母親が撫でていた』
・『頭を撫でられている犬はとても気持ちよさそうな表情をしていた』
・『生い茂る草たちを風が撫でる』
・『櫛で髪を撫でる彼女の後ろ姿がとても印象的だった』
「撫ぜる」の例文
・『彼は涙を流す彼女の頬をそっと撫ぜた』
・『これは非常に壊れやすいので優しく撫ぜるように扱ってください』
・『妻の髪を撫ぜるとサラサラとした感触が指を伝った』
・『撫ぜるように素早くキーボードを叩く彼の姿に思わず見入ってしまった』
まとめ
「撫でる」が訛って変化した言葉が「撫ぜる」ということでした。
「撫ぜる」は東北地方から中国地方まで各所で用いられています。