「生糸」と「絹」はどちらも繊維に関係する言葉です。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「生糸」と「絹」の違いを解説します。
「生糸」とは?
「生糸」とは、「カイコの作る繭を紡いで作った糸」を指す言葉です。
「生糸」の使い方
カイコガと呼ばれる蛾の幼虫を「カイコ」と言います。
カイコは幼虫からさなぎになるため口から糸を吐き出して繭を作りますが、カイコの吐き出す糸は非常に繊細で美しく高級繊維の原料として珍重されています。
カイコが作った繭をほぐして繊維にしたものをより合わせ紡いで糸状にしたものが「生糸」です。
「絹」とは?
「絹」とは、「カイコの繭から取れる繊維や繊維製品の総称」です。
「絹」の使い方
カイコの繭から取れる繊維のほか、繊維を精錬し布や衣服などにした加工物を指します。
人の手によって加工された繊維素材の状態に対して用いられる言葉で、繭そのままやほぐしただけで精錬していない状態を「絹」とはいいません。
精錬し加工された状態のものを「絹」と表現します。
「生糸」と「絹」の違い
カイコの吐き出した繊維をそのまま紡いで糸状にしたものが「生糸」、カイコの吐き出した製品を精錬し製品にしたものが「絹」という違いで区別されます。
「生糸」は材料であるカイコの吐き出した繊維そのままの状態に近く、紡いで糸状になってはいますが不純物や汚れなどが付着しているためそのままでは加工できません。
「生糸」を精錬して不純物や汚れなどを取り除き糸や布状に加工した製品として使える状態の物を「絹」といいます。
「生糸」は「絹」の原料に当たりますが広義ではカイコの吐いた繊維全般を指すので「生糸」も「絹」の一種です。
「生糸」の例文
・『生糸を出荷する』
・『生糸は明治時代の主要輸出品だった』
「絹」の例文
・『絹の着物を仕立てる』
・『肌ざわりのいい絹のハンカチ』
まとめ
「生糸」と「絹」はどちらもカイコの吐いた繊維ですが精錬や加工によって区別されます。
それぞれの言葉の意味を理解して区別しましょう。